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「お前達は、さっきの茅野を見ても、何も思わなかったのか？景山の死から、目を背けていた自分を奮い立たせて向き合おうとした茅野を見ても、何も思わなかったのか？」
何も思わないわけじゃ、ない。単純にすごいと、そう思った。──私にはできない。澪奈は死んだ。何を思っても、その事実は変わらない。それがとても、辛いから。
澪奈だけじゃない──私の大切な人は皆、私の前からいなくなる。
過去の自分が、今の自分を創る。先生はそう言う。そうだ、私は私の人生を後悔してるから、こうやって死のうとしている。死にたいって思ってる。これから先、生きていても意味がないと、そう思ってる。
「何故、景山澪奈が死ななければならなかったのか！！これから彼女の生き様を通して、お前らの考えがいかに脆く弱いものなのか！思い知らせてやる」
先生は涙を流していた。…どうして、ここまでするんだろう。
「ふざけんじゃねぇ…ふざけんじゃねぇよ！」
中尾が先生に掴みかかると、先生はその腕を掴み返す。
「そして！変わるんだ…悪意にまみれたナイフで、汚れなき弱者を傷つけないように！変わるんだよ！」
──変わってくれ…
訴えかけるような、弱々しい声。だけど、心の底からの叫び声にも聞こえた。
その時、サイレンの音が鳴り響いた。機械の音声が、"シンニュウシャハッケン"と告げる。先生はまた無表情に戻って、冷たい声で言う。
「…警察の皆さん、言ったはずですよ。次の指示を出すまで、待っていて下さいと。大人しくしていなければ…生徒達の命は保証しないと。…いいでしょう…そちらがその気なら、」
──最初の犠牲者はお前だ
先生の目が捉えたのは、中尾だった。「蓮…！」涼音が叫ぶ。中尾も抵抗するけれど、何度か殴られて、そのまま気絶してしまった。その上に跨った先生は、甲斐から没収したバタフライナイフを取り出す。
「ッだめ、」
呼吸が、浅くなる。
先生がナイフを振りかぶる。目を逸らしたいのに、私の身体は硬直して、動けなかった。脂汗が滲んで、芯まで冷えていく。
そして先生は、その切っ先を、中尾の胸に突き刺した。鮮血が、溢れる。
「ッは、ぁ…」
涼音が中尾に駆け寄るのが、霞んだ視界の中で見えた。どくどくと、心臓がうるさい。吐き気と目眩が、私を襲う。
痛い、苦しい
──けどあの子は、もっと痛くて、苦しい思いをしていた
フラッシュバックする記憶。黒が、私を覆い尽くす。どうして皆、私の前からいなくなるの。
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ここここ - 私もサ読み君が大好きなので、読んでいて思わず笑みがこぼれそうです (2019年2月11日 20時) (
レス) id: a0edfdd1ef (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - 胎児????さん» コメントありがとうございます^^そんな風に言って頂ける程の文ではありませんが、大変嬉しいです…！最近客観的に自分の作品を見るということが難しかったので、他の方にそう言って頂けるのはとても励みになります！これからの展開もぜひ見守って頂けたらなと思います。 (2019年2月9日 17時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
胎児????(プロフ) - コメント失礼します。本当はコメントは控えよう！と思って見ていたのですがあまりの素晴らしさにコメントを書かずにはいられませんでした。お話の進め方や書き方がとてもお上手で読みやすいです。これから里見くんとの関係がどう変化していくのかとても楽しみです。 (2019年2月8日 19時) (レス) id: 8684af6c84 (このIDを非表示/違反報告)
ほたる(プロフ) - ソラさん» コメントありがとうございます^^次のお話でもっと里見くんとの関係を掘り下げていく予定なので、お楽しみ頂けたら幸いです…！ (2019年2月8日 19時) (レス) id: d2c549795f (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - 里見くんとの和解というか、優しい展開になっていくのをゆっくり見守りたいです。かっこいい。 (2019年2月8日 5時) (レス) id: 06b27bfe9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほたる | 作成日時：2019年1月27日 22時
