混ぜるな危険小ネタ集！その５でいいみたい！

□百鬼夜行二十五歩目 ページ11

人間「えっと……、夜雀…かな？」
猫檀家「…っ！や………っぱ、いいとこに目つけんなぁ！」
人間「え、えっ？ちょっと猫檀家どうしたの？」
猫檀家「なんでもないよーー！！」

僕が何気なく夜雀を選んでみると、猫檀家は一瞬破顔した。
それは優しすぎる笑顔で、僕には何が何だかわからなかった。

猫檀家「でもそっかー九ちゃんかぁ！なんでなの？」
人間「うーん…なんとなく、図案がかっこいいから？」
猫檀家「はーなるほどなるほど。惚れたか！」
人間「いやそんなことはないけど、憧れはあるかも。ああいうのを着こなしてみたいなーっていう」
猫檀家「さっきから服の話しかしてねぇなこいつ！！」
人間「ところで、夜雀って…男性でいいんだよね？」
猫檀家「は？」
人間「え？」

急に真顔になった猫檀家にどきりとする。
もしかして、間違ってたのか。
確かに一人称は“私”だった気がするし、声も比較的高かったと思う。
華奢な方だったし、みんなからの敬称は“ちゃん”だし…。
言われてみれば女性だったのかな…？
なら今の発言は大分失礼だ。

人間「ごめん、女性だった？」
猫檀家「あのなぁ人間さん」
人間「あ、うん。何？」
猫檀家「九ちゃんに性別はねぇんだよ！！！その発言は禁句だ！！！覚えとけ！！！」
人間「えっ！？ご、ごめん…？」

何故かすごく怒られた。
そんなにだめだったのか。
でもそう言われるとますます夜雀の性別が気になってくる。
…本人に聞くのは地雷だろうし、自分で観察して答えを導き出すしかないよな…。
あれ、じゃあなんで一人称は“私”なんだろう。
性別不明なら普通“僕”とかにすると思うんだけど…。

人間「じゃ、じゃあさ…何で私って言ってるの？」
猫檀家「ん？あー一人称のこと？九ちゃんは前までは“僕”って言ってたよ」
人間「え、そうなの？」
猫檀家「でも多数決の結果“私”が一番多かったからそれ以降一人称変えた」
人間「…なんでなんだろう」
猫檀家「九ちゃんはその場のノリで性別変えるからね〜。その時の性別を決めるのは大体多数決だよ」

そんなに緩くて大丈夫なのかな。
男女で分かれてる厠とかどうするんだろう。
どれ程聞いても疑問ばかりが浮かんでくる。
やはり妖怪は不思議なものだ。人間である僕には到底理解ができない。
新たな質問を言おうとすると、猫檀家は立ち止まった。

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