【和/泉/三/月】3日後の行方【ア/イ/ナ/ナ】 (ページ6)

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それから、和泉家のあたたかい恩恵を受けた。ケーキ屋さんらしい美味しいご飯も頂いて、寝るところもある。とても幸せだ。自分の家のようにリラックスができる空間。

あまりに溶け込みすぎて和泉家のお母さんには
「お嫁さんが来たらこんな感じなのかな」茶化されもした。

「あはは、こんな惰性なお嫁さん嫌ですけどね」

私がそう返すと苦笑いが返ってきた。図星なのだろうか。私もこんなに炬燵にうつ伏してるお嫁さんなんて嫌だ。

　そしてお風呂も入らせてもらい、ジャージを持っていたのでそれに着替えた。

「もう寝るかな」

　和泉家全員がお風呂に入り終わり、時計を見るともう短い針は十二時を指していた。一織は勉強をしに自分の部屋に行き、親御さんも寝るために寝室に行ったらしい。
三月はスマホのいじっていて、ゲームがキリのいいところまでやったら寝る、と言っている。私はリビングのソファに寝ることになっている。
迷惑をかけっぱなしなので、せめてソファで寝ようと思ったのだ。

電気を最小限にして、ソファに座る。隣の三月のスマホを覗く。でも丁度終わったようで、何も見れなかった。

「なんか不思議な感じ」

少しの暗がりで同級生と一緒にいるのは、修学旅行くらいだ。なんだか、これだけで楽しい。それを伝えると彼は何それ、と笑った。

「まあ、ちょっとオレも思ったけど」

そう言ってから、少しの沈黙が入る。いつもと違う雰囲気なので気まずいような、何を言えばいいか分からない。