【和/泉/三/月】3日後の行方【ア/イ/ナ/ナ】 (ページ17)

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「ちゃんと周り見ろよな」

文句を言われた。文句を言うのであれば、教室で告白をしようとする男女に言っていただきたい。普通、人がいない場所、時間で言うよね。なぜわざわざ人を追い出してまでしようとしたのか、その神経が分からなかった。

「うーん……」

私は不満げなうめき声を漏らす。

　なんで卒業式にまで三月に説教をされなければならないのだろう。ため息をついて、前を歩く彼の隣のポジションについた。なんとなく、廊下の窓を見てみると桜の木には、蕾が何個か見える。卒業式って満開の桜のイメージがあるが、実際見てみると、咲いていないことが多い。中学のときもそうだったな。

　なんてことをボーッと考えていると、地面は階段に差し掛かっていて一段踏み外しそうになる。転びはしなかったものの、瞬間の恐怖がまだ心臓に残っていた。

「おいー、びっくりするだろー」

反射で手を差し伸べてくれた三月が呆れている。文句を言いながらも優しくしてくれるなんて良い幼馴染みを持ったものだ。

「……三月はさ」

ふと思い出したものがあり、一段一段慎重に降りながら言う。
最後に、聞きたいことがあったんだった。

「なんで私に優しくしてくれるの」