○３４ ページ35
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「戸城さん、彼氏さん迎えに来てくれたわよ。」
『か 彼氏じゃないです………』
またまたぁ〜、と笑った看護師さんにお礼を言って、エントランスへ向かえばスマホをいじっている至くんの姿が。本当に迎えに来てくれている……………。
看護師さんや女性の患者さんから視線を集めてることなんて当の本人は気づいていないんだろう。
『至くん、おまたせ。』
「ん。荷物貸して。」
『これくらい持てるよ。』
「いいからいいから。」
着替えが入ったバッグを私の手から奪い取った至くんが自動ドアを出て車に向かっていく。近くにいた看護師さんに「お世話になりました」と言って、慌てて至くんの背中を追いかけた。
先に駐車場に着いてた至くんが、私が追いついたのを横目に助手席のドアを開けてくれる。
「ドーゾ。」
『…………』
「なにその顔。」
『…私別に病人じゃないんだけど？』
「いいから乗って。」
『……アリガトー…』
「不服そう。」
何から何まで本当に申し訳ないな。こんなに世話焼かれてると小さい頃を思い出す。結局いつまで経っても兄妹のような関係で、幼馴染なんて切っても切れない縁な訳で。
そんなことを考えて思わず出てしまったため息に、至くんが心配そうに「大丈夫？」と訪ねてくるからなんだか罪悪感で胸がいっぱいになってしまった。至くんはこんなに心配してくれてるのに、私は何を考えてるんだろうか。
『…ごめんね、いろいろ。迷惑かけて。』
「いいよ、もう。怒ってないし。」
『怒ってる言い方だ………』
「うそうそ。本当に怒ってない。めちゃくちゃ心配はしたけど、迷惑だとは思ってないから。」
『……………』
「落ち込んでんの？」
『…いや、情けないなって。私も大人なのに……』
「俺からしたら子供だけどね〜」
『2個しか変わらないじゃん。』
たしかに。とふはっと笑った至くんの横顔に胸がぎゅーっとなる。………好きだなあ。こんなかっこいい人が幼馴染で、一番近くにいてくれるなんて贅沢すぎるや。
いつか至くんに彼女が出来たら、私の存在は邪魔になるのかな。こうやって、私のことで心配してくれたりすることもなくなるのかな。
自宅まではまだまだなのに、話す言葉が見つからなくてただ黙って窓の外を眺めることしかできなかった。
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しあ(プロフ) - さわださん» さわだちゃんありがとう〜(T_T)そう言ってもらえてなによりです、、わたしもさわだちゃんの作品楽しみにしてるので、無理しない程度に更新頑張ってね、、！ (2019年9月7日 8時) (
レス) id: 57235b7de0 (このIDを非表示/違反報告)
さわだ(プロフ) - しあちゃん完結お疲れ様でした…！更新が本当に楽しみで、最初から最後まで素敵なお話でした（＾ν＾）私も頑張ろうって思えた！しあちゃんの作品の至さんが大好きです。そして何より、しあちゃんの作品が大好きです！ (2019年9月6日 11時) (レス) id: d1a285d656 (このIDを非表示/違反報告)
しあ(プロフ) - うさぎさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます…！楽しんでいただけているようで幸いです！これからもゆるゆる活動ですが見守っていただけたらと思います…！コメントありがとうございました！ (2019年7月31日 10時) (レス) id: 57235b7de0 (このIDを非表示/違反報告)
うさぎ(プロフ) - 久しぶりにこんなに素敵な小説に出会えましたっ！！更新楽しみにしてます！頑張ってください！ (2019年7月30日 7時) (レス) id: ebaf376ead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しあ | 作成日時：2019年7月16日 16時
