綺麗な花に棘がある。【茅ヶ崎至】 (ページ9)

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『…で、実際酔ってたんですよね？』

「俺、別に酒弱くないよ。」

『……いや、でも、ほら…！先輩も私もかなり呑んでましたし！』

「少なくともホテルまで行くくらいは自我はあったけど。」

『……………』

「それで？言いたいことはそれだけ？」

昼休憩に入って、すぐに先輩をお昼に誘う女性社員がたくさん来るのをわかっていたから、誰よりも早く、そして誰にも見つからないようにあまり人が通らない場所へと先輩を連れてきた。

昨日のことをいろいろ聞き出してはいるけど、やっぱり先輩が何であんなことをしたのかわからないまま。

『……酔っ払って、魔が差したわけじゃないんですか？』

「うん。ちゃんと自分の意思あったよ。」

『尚更、何であんなとこしたのか不思議なんですけど。』

「…俺は、昨日寝込みを襲われた相手と平気な顔して一緒に飯食ってるお前が不思議だよ。」

『だから！それは……何かの間違いなのかなって思って、』

「間違いじゃないって言ったら？」

『…先輩、私のことやっぱり好きなんですか？』

「………はは、うるさ。」

『いったい！！！！』

昨日と同じ質問をすれば、ゴンと頭の上に硬い拳が落ちてくる。涙目の私になんて目もくれず、茅ヶ崎さんはお弁当を食べ続けていた。

手作り弁当………。自分で作ったようには見えないけど。

「早く食べないと時間なくなるよ。」

『……言われなくてもわかってますよ。』

結局、納得がいかないまま私もコンビニで買ったパンにかじりついた。

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