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ごめん、美咲。と心の中で謝罪を入れつつ、泣き上戸になってしまった美咲を抱えながらお店を出た。フラフラとした足元が心配で、タクシー乗り場まで連れて行くことにした。


私が酔っ払ったとき、先輩もこんな気持ちだったのかな……。今更ながら申し訳ない気持ちになる。



「A〜!二軒目行こ〜!」


『行かないよ。もうベロベロじゃん。明日も仕事でしょ?』


「まだまだ飲み足りないっ!」



タクシー乗り場へと向かう途中で、美咲が反対方向へ歩き出そうとする。美咲ってこんな酔い方する子だっだっけ、と思いながらも腕を引っ張って連れ戻す。


と、美咲がふらりと転びそうになったと同時に向かいから歩いてくる女の人とぶつかってしまった。



『す、すみません…!大丈夫ですか!?』


「…だ、大丈夫です。」


『もう、美咲も謝って!』


「え〜?」


「大丈夫ですよ。お気になさらず。」



にっこりと綺麗に笑った美人なお姉さん。見た感じは私たちよりも年上で、持っているものの半数はブランド物って感じだった。ふんわりと毛先にウェーブがかかったミルクティー色の髪と、キラキラと光ったマゼンタ色の瞳がどこかで見覚えがあるような気がした。


そんなお姉さんの後ろ姿を、思わず二人でじっと追いかけてしまい、美咲がぽろりと呟いた。



「あのくらい美人だったら、男選び放題なんだろうなぁ………」


『…そんなこと言ってないで早く帰るよ。』


「うぅ〜……A、酷い……」


『美咲だって顔だけはいいんだから。』


「…えへへぇ、A大好き〜!」


『調子いいんだから…』



酔っ払いに呆れつつも、高校からの友人っていうことでどこか放って置けないんだよね。重たいため息をついて、美咲を支えながら今度こそ、タクシー乗り場まで連れて行った。






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作者名:しあ | 作成日時:2019年6月27日 22時

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