怖いと評判の課長とmake love。【SUHO】 (ページ10)

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SH「…っはぁ…。」

課長をベッドに降ろしてあげる。

「課長の家は、必要以上の物は置かないんですね…。」

周りを少し見渡しても、物は全然なかった。

寝室はホントにベッドだけ。

リビングには、テーブルとイスとテレビだけ。

キッチンは使った形跡がない。

…この人、本当にここで暮らしてるの？

SH「…はい、多く物を置いてしまうと、散らかしてしまうので…。」

課長は腕を顔に乗せて規則正しく息をしている。

片づけが苦手なんだ…。

「お水、持ってきましょうか？」

SH「いえ…、お構いなく。」

「課長、今日なにかありましたか…？」

SH「え…？」

私がそういった瞬間、課長がぴくっと反応した。

わかりやすい…。

「いつもはしっかりしてる社長が、こんなに弱ってらっしゃるので…。私でよければ、聞かせてください。」

気づけばそんなことを発していた。

でも、なんだかこの人を放っておいてちゃいけない気がしたんだよなあ…。

SH「…お恥ずかしい話ですが、私バツ1なんです。」

「…え？」

課長は腕で顔を隠したまま、流暢にしゃべりだした。

SH「去年、向こうの不倫が原因で離婚したんですが…再婚したらしくて。」

本当に淡々と、淡白に話している。

もう相手の方に未練はないことが話を聞いててよくわかる。

SH「招待状が、送られてきたんです。」

「え？なんのですか？」

SH「…結婚式。」

「…ええ！？」

なんて猛者なんだ元奥さんよ…。

SH「それを見たら、離婚したときのことを思い出してなんだか腹が立ってきてしまって…。」

「そ、それは私でも…怒ります。」

SH「…それで、ひさびさにお酒を飲んで忘れようと思ったらあなたがいた。」

課長は腕を顔からどかして、寝ながら私を見つめた。

虚ろな目はまるでガラス球みたいで、暗いはずの寝室の中で、少しだけ開いた廊下から漏れる光を反射している。

妙に、色気があって目眩がしそうだ。