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n.
「 かいと〜、おはよ〜。」
いつものように病院に行って、
海人に会いに行く。
着いたらまず手を洗って、頭を撫でる。
ベッドの横の椅子に座って手を握って。
海人が生きてることを確認する。
これをしやんかったら、不安でたまらんくなる。
「 かいと、今日はな、CD持って来てん。聴く？」
返ってこない返事。別にいい。
俺は信じてるから。海人の耳には届いてるって。
「 これ、好きって言ってたバンド。
俺も聞いてみてんけどさ、めっちゃええな！」
プレイヤーにセットして、
迷惑にならない程度の音量で流す。
「 またライブ行こな〜。」
海人が良くなったら、2人でライブに行きたい。
そう思って、このCDを持って来た。
けど。
もし、このまま海人が一生目を覚まさんかったら？
ライブなんて言ってられへん。
海人に二度と、二度と…。
あぁ、俺のせいや。
全部俺のせい。俺が悪い。俺が、俺が。
涙がたまって、視界がぼやける。
「 かいと、ごめんなぁ。
こんな、俺のせいで、ごめん、ごめんな。
今頃、ほんまやったら海人には
いっぱい仕事来てるんやろうなぁ。
ごめんな、俺がそれ、全部奪ってもた。
ごめんっ、なさいっ…。」
こんなことを毎日続けてる。
自分を責めて、泣いて、謝って。
こんなことしても海人は目を覚まさへんのに。
勝手に、俺のエゴや。
わかってる、俺は多分ちょっとおかしい。
だんだん普通じゃなくなってるって。わかってる。
でも、こうしてへんかったら、
多分俺はもっと壊れてしまう。
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作者名：てぃの | 作成日時：2019年8月26日 17時
