前途多難な同級生【呪術廻戦】

□クリスマス□ ページ42

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「ねぇっ、これ可愛くない？」



そう言って女性が覗き込んだショーウィンドウには、世の女性全員が好きそうなハート型の中に宝石が入ったネックレスがあり、一緒に居た男性も「可愛いね、これ」と楽しそうに笑っている。

のを、私は少し離れたところから眺めていた。



裏路地から通じる廃ビルにて呪いを倒した後、どうにも帰る気分にもなれず壁に寄りかかって人間観察をしていたのだが周りにはカップルカップルカップルカップル。カップルばかり。
少子高齢化については大変役に立つであろう方々ばかりで、1人鼻をすする私は世界から浮いていた。



『……さむ』



世間はクリスマスだの何だの騒いでいるのに、私達はいつもと変わらず任務ばかり。

高校生なんだから少しの青春くらい許してくれたっていいじゃないか、と言いたいところだけれど青春をする相手は居ない。


あ、五条くん？
残念だけど、彼も遠方に任務だよ。



「アンに似合うと思うから買ってあげるよ。クリスマスプレゼント」

「えっ、でも、お花貰ったよ？」

「あれはほんの気持ち。これが本命ってことで」

「タクムくん……！」



よかったねアンさん。
あのネックレス、食い入るほど見つめて欲しいアピールに必死だったから、買って貰えるらしいよ。




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