前途多難【28】 ページ29
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「俺はAが好き。」
『……うん』
「Aは?」
サングラスの奥の空色の瞳が、私の言葉をこれでもかと待っている。握られている五条くんの右手が、少しだけ熱を帯びているのは言わないでおこう。
『私、は』
私は、子供のように笑うあなたが好き。
悪戯しても「俺やってない」みたいな顔してしらを切るあなたが好き。
こうやって体温を分け合ってくれるあなたが好き。
『私も、五条くんが好き』
少し恥ずかしくなって彼の目は見れなかったけれど、想いは伝わったはずだ。
彼は空いている手で自身の頭をかくと、突然ベットサイドに腰をかけて私の方にもたれかかってくる。
「……女とは全部関係絶ってるから。てかゲーセン行った時よりもずっと前から何もねぇし」
『あ、そうなんだ』
「そうなんだって、俺彼奴のせいでAから手を離されたと思ってんだけど?」
それは否めないけど、何もかもあの人が悪い訳じゃない。
あの人だって五条くんのことが好きで、だから離れていくことを理解したくなかっただけだ。君への想いは私と同じなんだよ五条くん。
ただそれが、歓迎されるか拒否されるかの違いだったんだ。
「A」
『ん?』
「退院したら髪乾かせよ」
『……うん』
髪、乾かさせてよ。
FIN.
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雪狐 - ぴやァァァァァァァァァァァァァこれ好きぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ更新頑張ってぇぇぇぇぇぇぇぇん((Ki Mo I (2020年3月25日 5時) (レス) id: 99f545fffc (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱぱ - 汚い言葉を使うことを許してください ばかくそにおもろいやないかいっっ!!!! (2020年3月23日 10時) (レス) id: 84d164d6bd (このIDを非表示/違反報告)
ミコト - う、うおぉおぉお!!!!!!!続きがすごく気になる!!!!!!!更新頑張ってください!!!!!!! (2020年3月22日 2時) (レス) id: a84576bae2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2020年3月20日 21時