ストロベリームーン �� 〜太陽〜【今市 隆二】

69話 ページ21

臣「A!やめろ」








「何で？やればいい。でも

アンタ死ぬ気ないでしょ？」









Aya「臣が付き合ってくれない

なら…生きる意味なんかない…。」









「男にフラれた位で死んでたら

命いくつあっても足りないね。」








私はバッグから真っさらの

ドナーカードとペンを取り出した









「はい！死ぬ気なら

これ‼今すぐ書いて。」








Aya「はぁ〜？何コレ？

おばさん、言ってる意味

全然っわかんねぇけどっ」








『バンっ‼』

私は両手でテーブルを叩き

その子を睨みつけた









「わかるでしょ。ドナーカード‼

あなたが死んだら、その臓器を

待ってる人がたくさんいる。

要らないならその人達にあげて！」








Aya「……」








「私は元看護師よ。だからっ‼

アンタみたいに、命を軽々しく

扱う人を許せない。見てて

あげるからやりなさい。」








Aya「……は？」








"パッシーン"


知らないうちに勝手に手が出た









「は？じゃない！こんなとこ

切る時点で死ぬ気ないしっ‼

助かるって思ってるでしょっ！」








Aya「……。」









「そんな、バカを助ける時間で！

大切な命を救えない場合だって

あるのよ‼…死ぬならココ！

切りなさいよっ！」








グラスの破片を首元に

当てて怒りをぶつけた



臣「Aやめろって！」









へなへなと腰を抜かし

下に座り込むお人形ちゃん








Aya「…ごめん…なさい。」








私はお人形からガラスの破片を

受け取り…泣き噦るその子を

目一杯抱きしめた。








「…あなたは…若くて綺麗。

いくらだって…やり直せる。

だから嘘でも…今みたいな事は

二度としないって約束して」








その子は泣きながら何度も頷いた

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