ep295 臣 ページ21
それから3日ほどで
俺とタカヒロさんは
少しずつ動けるようになり…
短い時間だけだが、
彼女の病室に入る事が許された。
ベッドの上に 仰向けで眠る彼女。
「…A。」
TAKA「おい、いつまで寝とっと？
たいがい、起きれや。」
俺たちの声が聞こえたのか
ぱちっと目が開く。
…！！
臣、TAKA「Aっ！？
おい、わかるか？」
2人同時に両側から話しかけるも…
ぱちぱちと瞬きをした瞳は
俺たちを捉える事はなく…
ただ、真っ白な天井を見つめたまま
顔を触ってみたり、手を握ってみたり
色々試してみても…
全く反応は 変わらなかった。
「A。…ごめんな。妹との事…
黙ってて…ごめん。」
コンコン
看護師「お時間です。」
看護師に連れられ…渋々病室を後にする
TAKA「…なあ、登坂。」
「…はい。」
TAKA「しばらく、俺達1人ずつ
アイツに会いに行ってみないか？」
「…？いいですけど…何ですか？」
TAKA「2人で、同じ人物に
問いかけるより、1人ずつで
2人の人格に問いかけてみる
っていうのも、試してみたい。」
「…わかりました。」
翌日からタカヒロさんの案で、2人
時間をわけて、彼女に会いに行った
2人の人格に話しかける区別の為
妹は呼び捨てで、姉の人格には
付き合う前のように敢えて、
さん付けで問いかけた。
Aに問いかける時は
スマホでサムスミスかけたりもしてみた
そういや、コンサート。
Aさんと行く約束したっけ…
行けなかったな…
そして、俺たちの身体の回復と共に
面会していい時間も少しずつ
増えていった
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年7月2日 19時
