ep294 臣 ページ20
俺の質問に
立ち去ろうした
医師が足を止めた。
医師「もう1人の女性の方は…
観察室にて 様子を見ています。」
「無事なんですね！彼女に会わせて
もらえませんか？」
医師「…それは、まだ難しいです。
先ずはアナタの身体の怪我の治療が
先ですね。」
臣「ほんの少しの時間でいいんです
お願いします！」
医師「…登坂さん。結論から言いますが
彼女の意識は完全には…戻っていません。」
「ぇ……完全にもどって なぃって…」
医師「アナタの下にいたおかけで
外傷も多少の切り傷ですみましたが
頭を強く打ったのか、最小意識状態と
呼ばれる状態にあります。」
「最小…意識状態って、何ですか？」
「植物状態の人と異なり、自己と周囲の環境をある程度認識はしている事を示す動作がみられます。
ただ瞼は開いたものの…こちらの質問に反応するわけでは…ありません。
意思疎通は難しい状態という事です。」
「…そんなっ…いつ頃、わかるように
なりますか？ 戻りますよね？先生」
医師「…それに関しては何とも。
お二人と同じく、脳の検査もしましたが、異常はなくハッキリした原因が…
わからない状況です。」
「…ゥソだろ…。俺のせいで…っ」
TAKA「…登坂。落ち着け。
お前のせいじゃない。」
「いぇ…俺のせいです。話す機会は沢山
あったのに…言えなかった俺が悪い。
もっと早く、彼女と話してればこんな事にはっ……」
TAKA「…それは違う。お前はアイツの
記憶の事とか考えて言わなかったんだ
それに…アイツパイプの下じきになる
直前…全部、思い出してたし。」
確かに。Aはあの時
姉の人格のまま、交通事故の事を
思い出していた…
TAKA「これは、たまたま不幸な
偶然が重なっただけだ。誰のせいでも
ねぇよ。」
「…俺…どぅすれば…っ、」
TAKA「とりあえず、いまはアイツの
生命力の強さを信じて待とう。」
「…はぃ…っ。」
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年7月2日 19時
