ep78 ページ3
墓石の前に
座り込んでいる私の
頭上から よく知る声が聞こえた
『Aちゃん?』
優しい呼び声に振り向くと…
後ろに吏桜斗のお母さんが立っていた
「…ハッ…お母さんっ…!!ご無沙汰
してます。…お久しぶりです。」
母「来てくれたのね…ありがとう」
吏桜斗によく似た瞳はゆらゆらと
涙の膜で揺れていた…
「…いえ。命日ですから。」
母「吏桜斗と…話できた?」
「…はい。言いたいことが、沢山
ありすぎて…困っちゃいます。」
母「そう…。」
おばさんは…寂しそうに笑うと
吏桜斗のお墓を、じっと見つめた…
母「Aちゃん。
…少し、雰囲気変わったわね。」
「えっ!?そうですか?」
母「うん。綺麗になったし…
何か若返ったわ。」
「いやぁ…それはないです。
敬浩にいつも、ダメだしされてます。」
母「ふふ、あ、敬浩くんは…元気?」
「…はい。今日は仕事で来れない
ですけど…呆れるくらい元気です。」
母「…そう。よかった。たまにTVで
みるわ。パパに…なったのよね?」
「はい。顔に似合わず笑」
少し間があって…おばさんが
ゆっくり話し出す。
母「Aちゃんも…いいのよ。」
「え……」
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作者名:ひろみ | 作成日時:2020年8月14日 8時