ep2 ページ27
しばらくすると…
白い月は いつのまにか
ひとつになり…
遠く…淡く…今にも
消えてしまいそうに薄くなった
身体が 深い沼に
沈みゆくような 感覚
.
暗く静まり返った その場所で
青いベンチに座る 私達2人
静かに ゆっくり
私の肩に 手を添えて
唇が…重なった。
.
.
私は…誰?
これは…夢?
白石「君の…名前を教えて?」
「…赤星 A。」
白石「はい。じゃあ…
ゆっくり 目を開けて。」
午後の優しい陽射しの中で
まどろんでいて
なんだか ふわぁ〜っとした気分で
うっすらと 目を開けると…
白衣姿の若い男性。
白石「赤星Aさん。僕が
わかりますか?」
私は…その人を 知っていた。
「…白石…先生。」
白石「…正解。」
「…ここは?」
白石「東京の心療内科だよ。」
アタシが…
私になった瞬間だった。
.
.
白石「…今日はここまでにしよう
焦らず、ゆっくりね。」
「…はい。失礼します。」
深く頭を下げ…
その部屋を後にすると…
病院の廊下には…
よく知っている男性が
不安な表情でベンチに座っていた…
「…タカっちょ…?」
私がそう呼んだ相手は
田崎 敬浩。
彼は私を見るなり、
駆け寄って 壊れるほど
強く抱きしめた…
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作者名:ひろみ | 作成日時:2020年7月10日 17時