ブルームーンストーン4

196 omi ページ47

数日後




『臣さん、臣さんっ！』









「…何だよ。」





人の顔を見るなり、うるさいがんちゃん。





『ナオさん、Aと付き合う事になったって…マジすか？』









「…ああ。そうなんじゃね。」









『……いんすか？それで。』









「……俺が決める事じゃねぇよ。」









　 バタンッ

勢いよく開いたドア





「臣っ！」



今度は隆二。





その後に続く言葉がわかった俺は、




「…俺にはもう、関係ないから。」









『……臣…。』









居心地が悪くて、部屋を出た。









Aがよく、俺に言っていた。









『臣は、クールだよね。』









「別に。普通じゃね？」









『いいえ。クールです！ま、そこがカッコイんだけどっ！ あんまり、感情出してくれないからさ、私って本当に、愛されてるのかなーって思っちゃう。』









俺がどれだけ、Aを愛しているかも知らずに、そんなことを言う。









「んなもん、イチイチ言う事じゃないだろ。」









『いやっ、イチイチ言って欲しい！！』









「断る！」









『ぶー。ケチ。』









何て言い合い、よくしてたけど、こんな風に離れるくらいなら









俺ん中の “好き”も “愛してる”も全部。ちゃんと、言葉で伝えておけばよかったな。









俺は、クールな人間なんかじゃない









あの時だって、本当は嫉妬で、ナオトさんを殴り飛ばしたかった









今だってそうだ。









ナオトさんから、Aを…取り戻したい。









いつでも、支えられていたのは
俺の方だったと、今更ながら思い知る









俺は、Aがいたから、強くてクールと言われる “登坂広臣”を保っていられただけだ…と。

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