ブルームーンストーン4

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ガラスのドアの前で…







ドアノブに手をかけた瞬間









『A！』









　 カツ カツ カツ









「ダメっ…！！









お願い。……来ないで。」









私は、ドアの向こうへ急ぐ。









臣が駆けつけたのと…

ドアが閉まったのは…ほとんど同時









　 パタンッ…









閉ざされたガラスの扉の向こうで

切ない瞳で 私を見つめる臣。







ガラスについた水滴が、臣の涙のように見えて…苦しくなる








ぉみ……









そんな瞳で、私を見ないで…。









ガラスに写った大きな手…









恋しくて…









触れたくて…









もう一度









そこに手を… 合わせた。









　 ズキン…









胸の痛みが、私に教える。

アナタへの……強い想いを。









ガラス一枚。









そう…触れたくても 触れられない









私達の関係みたいに……









溢れ落ちる涙と共に

ガラスにそっと おでこを寄せる








反対側からも 同じように

臣がおでこを寄せた振動が伝わる…








ダメ…っ、もう…くじけそう…









ガラスがあっても…

体温が伝わりそうなほど…熱い。









　 コツン…









まるで私を呼ぶみたいなノック音








思わず ゆっくり…顔をあげる






.




　惹かれ合う磁石みたいに…

　吸い寄せられる……





.





.








　 ガラス越しの キス





.






.








多分 10秒くらいだったと思う。








「………ッ……」









好きの感情を…








押し殺すのが苦しくて…









溢れ落ちる涙。









ガラスから離れた時…









『……A。』









全てを包み込むような…ナオトさんの、とつもなく優しい声が聞こえた…









私は、臣の顔は見ずにゆっくりと…

ナオトさんの元へ…戻った。

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