ブルームーンストーン4

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カツッ カツッ カツッ









Aの靴音が、段々、遠のいてく…本当は すぐに走って 追いかけたかった…









でも、yurikaの前で、そんな事は絶対に出来ない。









『ねえ、広臣？…あの人、もしかして…元カノ？』









「……いや。なんでもない。ただの…仕事仲間。」









『そう？ならいいけど。広臣はもう…今は私の彼って事、忘れないでね。』









「……ああ。」









yurikaと会ったあの日から









こんな風になる前に、Aの父親の借金を、何とか出来ないものかと、色々なところに手を回して、調べてみたが、どうにもならなかった。









結局、権力や財力が 物を言う








岩城が、Aの実家の権利書を持っている以上、下手にHIROさんに相談する事も出来ない








俺なんかに、全くなす術はなく、社長の言われるがまま、世間に交際宣言する話を、呑み込む事しか、道が残されていなかった。









Aを一番 傷つける事になると、わかっていながら、俺はその話を引き受けた。









『ねえ広臣。渋谷に新しくできた、オシャレなレストランこれから、一緒に行かない？』









彼女には 何の罪もない。
ただ、俺を好きでいてくれるだけ









俺もあのクソ社長と、さほど変わらない。
人を利用し…ずるくて…汚い。









全く愛してもいないのに、ただ義務感だけで、彼女を抱く。









触れる肌の感触に…Aを思う。









yurikaを抱くたび…
Aをどれだけ 愛してるか…思い知らされるんだ…









「悪い。まだ、仕事が残ってる。」









『そう。残念だけど、仕事なら仕方ないね。また。』









帰っていくyurikaを窓際で確認し…急いでタクシーで、部屋を出た









だけど…Aは、ナオトさんの腕の中で泣いていた……

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