ブルームーンストーン4

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先月、岩城さんが
新社長に就任してから、ずっと









空きポストのままだった
GM(ゼネラルマネージャー)職









今日、社長の口から、新しいGMの発表がされた








『私から紹介しよう。新GMの 上柿くんだ。』








え………









一部スタッフと タレントが騒つく









ニヤｯと 不敵な笑みを浮かべ、悠々自適に壇上へ上がる。









『今月から、新GMとして、戻って参りました。上柿です。
よろしくお願いします。』









それは紛れもなく、あのガッキーだった









あの日の…

思い出したくない記憶が蘇る。









何で…こんなタイミングで…









締めの社長の話が終わり

人がどんどん…バラけていく……









呆然と立ち尽くす私に、ナオトさんが心配そうに話しかける









『A…マジ、大丈夫かよ。』








「…あ。大丈夫…です。みんなさっきは、隠してくれて、ありがとうございました。』








隆二さんが優しい声で

『いや、A。さすがに…その顔は…ね。』









「…すみません。」







続いて祐子が

『社長の話の最中も泣いちゃったのは…マズいね。』









「ご、めん…」









『これ…女の子でも、大丈夫だと思うから、使いな。』









そう言って、ナオトさんが差し出してくれたのは、サングラス。









「…ありがとう…ございます。お借り…します。」









勝手に流れ出していた涙を、ぬぐいながら、お礼を言った









『返さなくていいよ。』









「いえ、そんなわけには…」









『いいから、とりあえず行ってきな。』









『うん、準備は私がしておくから、社長室、行っといで。』









「…うん。ごめん祐子。一旦、行ってくる。」









私は、みんなにぺこりと頭を下げ、社長室へ走った。

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