続 ストロベリームーン 〜月と私〜3

111 臣 ページ13

店のドアを開けると…

カウンターに突っ伏した優空の姿









マスター「…臣。悪いな。いつもなら

俺が送るんだけど、俺…今カミさん

具合…悪くてさ。」









「…いや…いいっすよ。それより…

奥さん…大丈夫…ですか？」









マスター「……ぃや……もぅ……

永く…なぃんだ……。」









「え………。」









俺がここに…通ってた頃

…たまに店にも立ってた…奥さん









当時はまだ結婚してなくて…よく

俺らのライブとかにも足を運んでくれた









そのうち…俺と優空が別れて…

マスターの結婚の話を聞いたけど…









仕事も忙しくなり…結婚式には行けず

メッセージだけ…送らせてもらった









思い出すのは明るい笑顔ばかりで…

マスターの話は…正直…ショックだった









マスター「優空がこんな潰れたの

俺のせいでも…あんだ。」









「え………。」









マスター「優空…ずっと…おまえを

忘れらんなくて…悩んでた。しばらく

顔…見せなかったけど…去年あたりから

また…来るようになってさ…。」









「……。」









マスター「6年も経つのに…優空の中で

時間は…止まってて…だから、もう

もし、もう一度、臣に会えたら…

玉砕覚悟でぶつかって来いって…

言っちゃったからさ…ごめんな。」









「……ぃぇ……」









声になるかなんないか位の声で…

首を横に振った……









マスター「…ちゃんと…終わらせて

やってくれ。」









「……はい。」









マスター「優空の部屋…あのまま

引っ越してないから。」









「……わかりました。」









潰れた優空を…担いで…

マスターが呼んだタクシーに乗せた。

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