target 5 〜スパイの恋〜

230 健 story18 ページ34

がんちゃんの話

だけやなくて…隆二まで…

とんでもない話を……し出した。









Aが双子だったなんて……こんな

とんでもない話なのに、がんちゃんと

臣ちゃんは、特に驚いた様子もない









隆二の話が全部終わったとこで……

無言で戻ろうとする臣ちゃんが、

どうしても気になって、飲みに誘った









俺の友達が、やってる飲み屋の個室を

借り向かい合わせに座って、乾杯。









「ほい。とりあえず、おつかれさん。」









臣「………健ちゃん。話って何？」









「おぉ。まぁ、話って…ほどのもん

ちゃうけど……俺もずっと…Aが

…好きやったんや……」









臣「……知ってる。」









「へ？気づいてたんか？」

臣「当たり前。」









「そっかぁ〜。やっぱ、

臣ちゃんには敵わんわ。」









臣「んな事……ない。俺、ずっと…

健ちゃんに嫉妬してる。」









「ぶっ(笑)オマエは何を言うてんねん

今更、とってつけたみたいに、そんな

お世辞いらん(笑)」









臣「お世辞なんか言ってねぇし。

今でも、嫉妬してる。」









健「はいはい。なら、聞いとこ。

完ぺき男の臣様が、一体、俺なんかの

何に、嫉妬するっちゅうねん！」









臣「Aの…自然な笑顔。あんな顔

引き出せんの……健ちゃんだけだから」









その言葉は…素直に…嬉しかった。









「…笑顔か。そういやAはじめ、

全然っ笑わんし、笑顔苦手やって…

言ってたなぁ。」









臣「だろ？健二郎マジックだよ。

完全に…。正直…敵わない。」

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