target 1 〜スパイの恋〜

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この人だって…

別に…パーソナリティが

本業なわけでは…ない…









「…すみませんでした。そんな

つもりは…なかったんですが…。」









健「ラジオって……TVと違って顔が

見えない分…声のトーンや、話し方に

気をつけないと…リスナーさんに冷たい

言い方に…伝わってしまうんで。」









…山下さん…見かけによらず…

真面目な感じ？









この人…本当に…仕事が好きなんだ…

アタシは…芸能界も長居するつもりも

ないし…ましてや…本業だって………









「…好きなんですね。お仕事。」









健「…え？」









「私。この仕事が好きではなくて。

疲れもピークで確かに…雑でした!

すみません。」









健「いや、全然そんな。」









「…もう一度。

ちゃんと…やらせて下さい。」









健「え？いやあのっ…///本当、

無理しなくて、全然大丈夫っすよ。」









「いえ。やらせて下さい。」









「ほんますか？…なら、よろしく

お願いしますっ！」









失礼だったあたしに…くしゃっと

優しい笑顔を向けてくれた山下さん。









正直。少し舐めていた仕事も…

この人のおかげで…私は何かスイッチが

入ったような気がした。









「こちらこそ宜しくお願します。」









差し出された大きな手を

アタシは両手でしっかりと握り返した

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