ドライフラワー [今市隆二]☆1 ページ41
「ありがとう
ございました！」
最後のお客様を見送ると、店の前に止まっていた車が…目に入る
『…店長。また…来てるみたいですけどどうしますか？』
お店のアシスタントの子が聞いてくる。
「…健吾！…今日も…お願い。」
『…またすか？俺は…いいですけど、ほぼ毎日来るって…あんなに愛されてんのに…何で、別れたんすか？』
…愛されてるか……
でも、それは…相手が私じゃなくても…きっと、そうなんだ…
「…私達、多分…根本がね、全然、合わないの。毎日、ケンカばっかりしてたし…私は全然、音楽の事もわかんないし、好きな洋服とかも…全然違う。私じゃない方が…いいんだよ。」
『…でも、ケンカって…好きだからするもんじゃないすか。』
「……！！」
『好きだから、自分の事、わかってほしくてケンカするんすよ。好きじゃなきゃ…ケンカなんてしない。だって面倒くさいじゃないすか。』
…好きだからか。
そう…私は隆二が好き。
好きすぎて…毎日が……辛かった。
誰にでも優しい隆二。あの笑顔は…
私だけのモノには…ならない。
…例え恋人であろうとも…
スタッフを大切にする隆二は、…好きですって、告白されても…ニコッって笑って…“気持ちは嬉しいよ。ありがとう”
なんて答えるから…相手は勘違いしてしまう。
そして、優しい隆二はよく、スタッフの差し入れに、私の好きな…オードリーのチョコを買ってくる。
それは…私の好物だからなんだろうけど
『差し入れ。ここに置いておくから、みんなで、食べてー。』
『わぁ〜オードリー♪隆二さんて、女の子が好きなモノ…わかってますよぇ〜！私、コレ大好きなんです♪』
『そっか、喜んでもらえてよかった。
Aちゃんも食べて！』
「…私は、お腹いっぱいなので。」
『…そっか。なら、お腹すいたら…後で食べて。』
隆二に頼まれて、ヘアメイクだけ委託でやっていた私が…彼女だなんて…スタッフは誰も知らない。
だけど、私は…みんなと同じ優しさなんていらないの。隆二だけの…特別でいたかった…
嫉妬深い私の…気持ちが限界だったの。
そんな事、言えなくて、あなたの寝顔を見つめながら…1人何度も、何度も…涙した
そんな時、目にしてしまった…スタイリストの女の子と、控え室でキスする…
隆二の姿。
ガタン…ッ
持っていたヘアメイク道具が手から落ち
隆二が私に気づき…目が合った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 823人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひろみ(プロフ) - みゆさん» 喜んでいただけて何よりです✨時間ある時、読んで下さい🥰 (2022年10月24日 16時) (
レス) id: 1c046313db (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - short story大好きです！！パスワード解除ありがとうございます！！！またキュンキュンさせていただけて嬉しいです😊 (2022年10月24日 14時) (レス) @page49 id: 8bff029943 (このIDを非表示/違反報告)
ひろみ(プロフ) - Ks411113さん» ありがとーございます‼️ショートはあまり得意じゃないけど、また書く事もあるかもしれません😊臣ちゃんですね♪了解です✨ (2022年10月22日 22時) (レス) id: 1c046313db (このIDを非表示/違反報告)
Ks411113(プロフ) - shortstory大好きです！新作あったら嬉しいです！特に臣ちゃん希望です。Pale blueは何度読んでも涙だが出ます。 (2022年10月21日 23時) (レス) id: 009c65d6a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年6月26日 12時
