10☆ ページ20
『…まだ
その人の事が好きで、忘れられないとか？』
私は静かに首を横に振る。
「…好きとかじゃないんです。違う意味で…忘れられなくて。トラウマって…ヤツです。」
『…嫌じゃなかったら…理由、聞いていい？』
「…はい。私は…その人の事、凄く好きだったんです。
でも…女グセが悪くて…どうしても我慢できなくて…別れたんですけど」
つまりながらも、部長の誤解を解きたくて、必死に言葉を紡ぐ。
『…うん。』
「…最後に…無理矢理されて…」
『……！！』
私のこんな過去のトラウマ。
部長は、興味もないだろうし、逆に困らせるだけなんだろうけど…
コレが…全ての原因だから…
「終わった後…最後の捨て台詞で、お前の身体じゃ、満足できなかったから他の女を求めたんだって… 言われたんです…。」
「は……、なんだ、それ……」
「…しばらく…立ち直れませんでした。」
部長の顔が見れなかった。
アイツの…嫌な顔が浮かぶ…
だけど、片岡部長には
何の関係もないのに…
罪悪感と恐怖心で押し潰されそうな心を…どうにか落ち着かせようと、大きく、息をはいた。
すると頭上から…
低くて優しい声がした。
『…俺が使ってる物と、そいつが使ってた香水が…
一緒だったって…事…だよな。』
「……はい。 多分…ですけど。す、すみません！部長は、何もっ悪くないのに、勝手に避けて、失礼な態度をとって……。
でも、その香りが近づくと、
どうしても…っ、あの日のアイツの顔が浮かんで、震えが、とまらなくて…」
震えを止めようと、謝りながら必死に二の腕をさする私。
その時…暗闇の中でふわっと動く気配がして…優しく温かい腕に そっと 包まれた…
「え…あ、あの…っ、ぶ、ちょ…ぅ？」
『…悪いけど、今だけ、黙ってて。あと、俺の顔。…見ないで。』
強い口調とは…相反する優しい声。
背中には部長の手がまわっていて、耳に…部長の吐息がかかる。
雷はもう…鳴り止んでいて…雨音も…気にならなかった。
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ひろみ(プロフ) - みゆさん» 喜んでいただけて何よりです✨時間ある時、読んで下さい🥰 (2022年10月24日 16時) (
レス) id: 1c046313db (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - short story大好きです！！パスワード解除ありがとうございます！！！またキュンキュンさせていただけて嬉しいです😊 (2022年10月24日 14時) (レス) @page49 id: 8bff029943 (このIDを非表示/違反報告)
ひろみ(プロフ) - Ks411113さん» ありがとーございます‼️ショートはあまり得意じゃないけど、また書く事もあるかもしれません😊臣ちゃんですね♪了解です✨ (2022年10月22日 22時) (レス) id: 1c046313db (このIDを非表示/違反報告)
Ks411113(プロフ) - shortstory大好きです！新作あったら嬉しいです！特に臣ちゃん希望です。Pale blueは何度読んでも涙だが出ます。 (2022年10月21日 23時) (レス) id: 009c65d6a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年6月26日 12時
