【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ33)

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まち、というのはこんなにも賑やかなところなのか、と感心した。

施設から檻に入る間に、街を見ることは無かったから、こんな明るくて、色とりどりな建物を見るのは初めてだった。わあ、と思わず声が出そうになる。

「ここが街。」

「…とても賑やかですね」

「せやろー？色んなもんあるし、気になるもんあったら言うてや。金銭面は気にせんでええし。」

これでも幹部やから！金は持ってんねん！とのことだ。生憎私は無一文だから、そこは甘えようと思う。けど、いきたいところなんて、私にはわからない。私の頭の中に存在するのは、薄っぺらい感情と、プログラムに組み込まれた情報だけなのだから。

「はい。」

「…さっき飯食ったばっかやから、雑貨屋みたいなとこいってみよか。」

私が何を考えているのかを察してくれたのか、シャオロンは自分からどこに行こうか提案してくれた。…気を使わせてしまっている。

「…はい。」

「…ほら、行くで！」

「あっ、」

ぱし、と手を掴まれて、私を引っ張るようにシャオロンは歩き出した。ずんずんと進んでいく割には、歩幅とかは考えてくれているらしい。じわ、と胸が暖かくなる感覚がした。

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内容少し改変しました