【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ30)

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「好きな食べ物だ。答えてくれ。」

今までと変わらない雰囲気の中、好きな食べ物を聞かれるとはまるで思っていなかった私は固まってしまう。なんて答えればいいのかわからずシャオロンの方を見れば、何を勘違いしたのか。

「俺は街で売っとる忍者めしっちゅうのが好き～」

忍者めし…？初めて聞く食べ物だ。…じゃなくて、助けてくれと言わんばかりの視線をオスマンさんにも向けてみる。が。

「俺は甘いもの全部好きやなー、グルッペンもめう」

「ん、そうだな。」

その顔で甘いものが好きなの？？と失礼な思考が過ったが、頭を緩く降って考えを吹き飛ばした。昨日の夕飯を思い出す。食べさせられた物の中で、美味しいと思った食べ物を探してみる。

「…えと、…昨日の夕食の…グラタン？は美味しかったです。」

「…グラタンか、いいな。」

「これ聞いたらひとらん喜ぶなあ」

…この質問になんの意味が？と問いたくなったけれど、なんだか聞くのも良くない気がして、やめた。

「次だ。昨日メイドが来ただろう。どうだった？」

「とても良くして頂きました。身体を洗って貰って、服も幾つか貰いました。有難い限りです。」

「そうか、送って正解だったな。この後の数日間は彼女にはいてもらう。その間にここでの生活に慣れてくれ。」

「はい。」

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