【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ27)

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「チーノええやつやろ」

「はい。とても。」

もう既に総統閣下は私を待っているようで、いつ来ても大丈夫との連絡がシャオロンに来た。急がなくてもいいとも言われたらしいから、さっきまでのことを思い出しながらゆっくりと廊下を歩く。

「でもちょ〜っと弱いねんなあ。人を騙すのは得意なんやけど、戦いの技術があんましやから押さえつけられでもしたらおしまいやねん。だから近接部隊の俺らが稽古つけてやったりしとるんよ。」

こう、身体はでかいんやからさ…もうちょいなあ〜、なんて。楽しそうにチーノさんのことを話すシャオロン。仲間の事を話す時、こんな顔をするの？楽しそうで、幸せそうで、…少しだけ、羨ましくなった。

「…それは誰かからの命で稽古をつけているのですか」

「いや？チーノが頼み込んできてん。"俺弱すぎてなんも役に立たへんから、強くなりたいんです。"って」

「…努力家なんですね。」

「そうやなあ、まーその向上心が空回りすることもあるけどな。」

空回り、の件を思い出したのかけたけたと笑うシャオロン。その顔はやっぱり凄く楽しげで、これが仲間なんだなって、その顔が酷く頭の中に残っていた。

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