【d!】喜劇的レゾンデートル (ページ11)

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キィ、と蝶番を鳴らし扉を開け放つ。そして「邪魔するで」と一言。部屋の中にいた所謂"情報処理班"なのであろう人々…約五十人程度の視線が、PCから私達に移り変わり突き刺さる。

「ロボロは？」

シャオロンが大衆に向かいそう問いかけると、皆が口々に「監視室ですよ」と笑みを向けた。…と、その中で1人訝しげな瞳でシャオロンに近付く男性がいた。手には大量の書類。その人は、私をじいっと見つめるなり声を張り上げて書類をばさばさと落とした。

「機凱！！」

その一言で部屋は静まり返った。数秒沈黙が訪れ、シャオロンはがくりと肩を落とす。その直後部屋は歓声が上がり湧き上がった。全員が業務を放棄して集まり出す。

「まっ、機凱…！本物！？」

「し、死ぬまでにこんな間近で見れると思わんかった！」

「な、何型なん！？」

「か、かわい〜！！」

「え、ええ、す、すごぉお！」

男女問わずキラキラとした瞳が、視線が、全方向から突き刺さる。シャオロンは面倒くさそうに溜息をつきお手上げポーズをしているし、私は脳内処理が追いつかずバグ状態。

そんな時、扉が大きく音を立てて開いた。中から現れたのは小柄で天と書かれた雑面をつけた青年。

「うるさいぞ！！何しとん…、…シャオロンか？
…ほら全員散れ散れ！仕事！業務に戻りや！興奮しすぎやぞ！」

小さな体躯からは想像できないような声を出す青年。それを聞いた人々は、あい、ひい、すみませえん。となんとも気の抜けた声を上げて私の周りから散っていく。自分のデスクに戻ってからもちらちらとこちらを射抜く視線は絶えない。

「…君が例の機凱の子やね。まずこっちの部屋に来てな。」

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