〇 ページ43
*
〜♪♪
アラーム代わりにしてるスマホからそれとは違う音がして目が覚めた。
” おはよう Aさん ”
ジェノくんからの朝の挨拶に自然と口角が上がるのがわかった。
昨日。
ジェノくんからの言葉に黙って頷いて、ジェノくんの背中に腕を回した。
まだきっと、ジアさんに気持ちが残ってるはずなのはわかってるのに、彼ともっと一緒に色んな時間を過ごしてみたいっていう気持ちのほうが強かった。
ジェノくんは、嬉しいって一言だけ呟いた。
そのあと、公園をあとにして私を送ってくれる道すがら。
「あの、手…繋いでも良いですか？」
『あ、はい…どうぞ…』
さっきまで普通に話してたくせに変に緊張しておかしな受け答えをしてしまった。
それをクスクス笑われながら、そっとジェノくんの大きな手に包まれて不思議な安心感が沸いたのは覚えてる。
「へへ、2回目だ」
『え？』
「手つなぐの。2回目ですね」
『そういえばそうだよね。あれからは…大丈夫？』
出会ってすぐの頃にとっさにデートのフリをした私たち。
あれが無かったら今は無かったんじゃないかな。
「まあ…なんとか。それに、これからはもう堂々と言いますから」
ね？って言ってつないだ手を私の顔の高さまであげてきた。
ジェノくんが優しく笑うから照れてしまって思わず下を向いた。
「今日は楽しかったです」
『うん、私も』
そのあとは気持ちがフワフワして何を話したか覚えてはないけど、家も近かったからすぐにマンションの前についた。
「えっと、あの、これからも…よろしくお願いします？」
『はい、こちらこそ…よろしくお願いします？』
二人でマンションの前でお辞儀しあってふふって笑って。
別れ際にもう一度だけそっとぎゅっとされて、そしてジェノくんが角を曲がるまで見送った。
それまで何度も振り返ってバイバイってしてた。
家に入ってもフワフワした気持ちはおさまらなかったけど、お風呂に入ってスキンケアしているうちに家に着いたってメッセージが届いて、それだけで気持ちがほっこりして、おやすみって返信をしていつの間にか眠ってしまったみたい。
”おはよう ” ってジェノくんに返したらすぐに既読になった。
それだけなのに心がぽかぽかする。
私のことを考えると心が温かくなるってジェノくんは言ってくれたけど、私だって同じなんだよ。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1120人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chato | 作成日時：2022年4月12日 23時
