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『おはようございまーす』
また一週間が始まる。
私は美術関係の小さな会社で働いている。小さな会社だけど少数精鋭が良いんだって社長は会社を大きくするつもりは無いらしい。
おかげでこないだみたいにめちゃめちゃ忙しい時がたまにやってくるけど、すごくやり甲斐があって楽しい。
「おはようございます」
『おはよ、今日は朝からなんだ？』
隣の席のアルバイトの大学生ロンジュンくん。今日も可愛い。
けど、私の問いかけにムッとした様子。
「ちょっと！Aさんが連絡してきたんじゃないですか」
『え、あ…そうだそうだごめん！』
ロンジュンくんが好きだって言ってた画家さんに急に会えることになったからお手伝いにこない？って声掛けたんだった。
「どーせ、また飲んでる時に俺にカトク打って覚えてないんでしょ」
呆れ顔でため息をついて冷めた目で見ている。
『ごーめーんー！ちょうど家の近所で飲んでる時に社長から連絡来てさ。誰か1人手伝いで連れてって良いって言うし、慌てて連絡したんだよ。ちゃんと覚えてるってば！』
「大尊敬してる人に逢えるチャンスだって喜んで出社してきた俺のウキウキ返してください」
『ロンちゃんごめんね？』
「その呼び方やめてくださいってば」
顔は天使なのに話すと意外と男っぽくて、でもそんな所も可愛い弟みたいなロンジュンくん。可愛いって言われるの嫌みたいだからあんまり言わないでいるけど。
『と、とりあえず出かけるのは午後からだから準備しよっか』
「Aさんが欲しそうな資料とかはある程度揃えときました」
顔が可愛いだけじゃなくて仕事もできるから、アルバイトといえど頼りにもしてるし、今回も連れて行ってあげようって思ったんだ。
『きゃー！デキる子！さすが！』
拍手しながら褒めると、大尊敬の人に会うんですから当然ですって言いつつ少し照れくさそうにしてた。
うん、やっぱり可愛い。
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作者名：chato | 作成日時：2022年4月12日 23時
