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「こないだはたくさん俺が話したから今日はAさんのこと聞かせてください」
こないだはジェノくんがあまりにも
ドキドキさせるようなこと言うから
私がジェノくんのこといろいろ聞きまくったんだった。
『私の情報なんて知ったところで役に立たないよ』
「そんなこと言ったらこないだの俺の話だって」
『あれは…ロンジュンくんと話すときに役立つかな、と』
といっても、ジェノくんと食事したことロンジュンくんに話してない。
何も言ってこないところを見るとジェノくんも言ってないのかなって。
「こないだのこと、ロンジュンに話さなかったんですね」
『ジェノくんこそ。言ってないみたいだか私から言うのもなって思ってさ』
「ふふ、そのまま秘密でいいです」
ジェノくんはそう言って笑うけど、秘密って言われちゃうと
なんだか悪いことをしているような、なんとも言えない気持ちになる。
こないだの事といい、バイトのことといい、秘密が多いよ。
「あ、でも秘密にしたら怒るような人いたら…あれですけど」
『へ？』
「いや、彼氏さん、とか…？こないだ聞きそびれちゃったから、いたら申し訳ないなって」
『ああ〜いたら土曜の朝から一人でカフェ行かないよ』
「ほんとですか？正直、ユウタさんかヨンホさんのどちらかと…とか思ったりしてて」
『やっぱりそう見えるかあ』
確かにほかの人にもよく間違われる。
私たちは同い年だし、お店以外でもよく遊んだりもするから。
でも本当にそれだけ。一番仲のいい男友達二人。
「俺はずっと男だけでつるんできてたから、男女で仲良く…ってのが不思議でした」
『ジェノくんももう少し大人になったらわかりますよ〜』
その言葉に、子供あつかいしないでくださいって拗ねた仕草が
余計に子供っぽくて笑ってしまった。
男の人と二人でご飯なんてユウタやヨンホで慣れてはいるけど、
それと何か違うのは、まだほぼ知りあいたてのジェノくんだからなのか。
ジェノくんの仕草ひとつひとつがなんだか眩しい。
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作者名：chato | 作成日時：2022年4月12日 23時
