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参拾話 ページ31

白州side

久しぶりに兄弟揃って夕飯を食べた。に、いや。Aは俺たちにこう言ったんだ。

A「己が選ぶ道を歩みな。俺の後ろを着いてきても何も無い。」

川「でも」

A「今世でもこうして会えたんだ。昔に囚われず生きろ。それと、あの時のことは済まなかったな。」

何時もよりも重たい表情で、そう言うんだ。

御「あの時って?」

川「僕らは記憶が曖昧なところだよ。多分、Aが1番自分を責めていることだと思う。人の何倍も責任感が強いから」

あの日の記憶は曖昧だ。いや、覚えていないって言った方がいいかもしれない。

前「なぁ、嘉田海。野球やった事あるんか?」

A「ないよ」

関「じゃー、サッカーは?」

A「無いな」

麻「彼女は?」

A「いないし、作る気もない」

何故か質問タイムになっているし………

木「学年一位を取り続ける方法は?」

春「え、嘉田海先輩って学年一位なんですか?」

A「まぁな。特に勉強なんてしてないよ。教材は全部学校に置いているし」

渡「……天才だ」

A「別に、今やっていることはさほど難しいことではないよ」

全【そう思っているのはお前だけな!】

『A、今、どこに住んでんの?お父さんとお母さんは?』

A「それは死んでも言いたくねぇ」

俺らに隠し事をしているかの様に話すAに俺はいらだちを隠せずにいた。

『いつも、俺らには大事な事を話してこなかった。あれもこれも聞いても答えてくれなかった。何で…………何で答えてくれないんだよ』

倉「…………白州……」

川「A、そんなに言えないことなのか?」

A「言うわけないだろ。何も知らずに育ってきたお前たちには……」

確かに何も知らないかもしれない。知ろうとしなかったのかもしれない。実際、Aのことはほとんど知らない。前世同様、余り自分の事を話す人ではない。

烏が飛んできて、窓のところに止まっている。

?「A、あまね様がお呼びだ。」

前「烏が喋った!」

A「真、どういう事だ?」

真「あの時みたいになっているんだ」

A「それでか……了解。すぐ行く」

そう言うと、一瞬にして居なくなった。切羽詰まったような、何かを祈る様な感じだった。

御「烏って喋るのか?」

倉「いや、いくら何でも烏が喋るなんて聞いた事ねぇぞ」

渡「後日聞く?」

木「聞かないとしばらく寝れそうにない」

続く

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マリイ - 丹波光一郎の小説も書いて欲しいです丹波さん好きだけど小説ないんで (2020年11月2日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:結依 | 作成日時:2020年10月31日 18時

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