さよなら,どたばた生徒会【stpr】

呼んで欲しかった ページ40

遠井ちゃんside



ジェルと喧嘩してから、しばらくが経って。



今日はもう、卒業式。




はやかったなぁ




もう終わりかぁ…



喧嘩の原因は、ジェルの留学。




この前、唐突に言われたんだ。





ジ)なぁ、俺、留学するねん。




あの時のアイツの顔は、今も鮮明に覚えてる




夕陽にのみこまれそうな切なげな顔




なんで、最初に言ってくれなかったんだろう




私には、言って欲しかった…



恋人なわけでもないのに。



つらくて、くるしくて、仕方なかった





まだ、アイツとは仲直りできてない




色々な考えを巡らせながら、だれもいない教室で
ひとり窓の外を眺めていた




そのときだった





ｷﾞｭｯ




あ)え、ちょ、は？



思わず声が出た




急に全身に血が巡ったような感覚がした




あったかい



ジ)遠井さん



あ)…ジェ、ル…………



声がこわばる



ジ)ごめんな、どうしても1番に言われへんかった


ジェルは私を抱きしめたまま話し始める



ジ)遠井さんに辛い思い、させたくなかった
でも、言わん方が辛かったよな……


ジェルも声が震えていて、泣いてるのがわかった


ジ)でm＿＿ﾑｷﾞｭｯ


私はジェルの口を塞いだ



あ)もう、いいよ。私はジェルを応援するから



私は｢友達｣として応援する



こんな気持ちはしまっとかなきゃだよ




……ほんと、遅いよ。自分の気持ちに気づくの。




あ)もういいでしょ。離してよw



私が気持ちを隠しきれてるうちに。



お願いだから、突き放してよ




ジ)嫌や……離さへん、離したくない



ｷｭｳｯ



胸がしめつけられる




あ)……お願いだから、これ以上好きにさせないでよ



ジ)へっ？


あ)えっ？




やばい、言っちゃった



ジ)……ｯｽ----、あの、遠井さん…///


あ)……言っとくけど、ほんとだから！




いいや、もう。



隠す必要ないもんね




あ)私はジェルのこと、すk＿＿＿＿



ﾁｭｯ



頬に柔らかい感触が当たった



ジェルが、私の頬にキスをしたんだ




あ)っ……！！///



ジ)……俺も、てか、俺の方が好きやで。……あかね



｢あかね｣



確かに、そう聞こえた。




あ)……ふふっwやっと、呼んでくれた…



ｷﾞｭｯ



ジェルの背中に腕を回す



コイツの背中って、こんなおっきかったんだ……



ジ)……これからは呼んでいくから。




私たちは笑いあった

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