04:回避不能 ページ6
誰もが静まり返った夜道を二人並んで歩く。大抵、これが私達の日常で、普通のこと。最近は特に夜中に帰宅する事が多いのだ。
だから、念のためってことで途中の別れ道まで出水に送ってもらっている。そんなことしなくても良いと思うんだけど。
出水「遠征、明後日だな」
「うん。公欠届出した?」
出水「あー、まだ。明日の朝出すわ」
「そうしろ」
出水「明日は一限だけだよな」
「最終調整入るからね」
出水「迅さんともやるんだよな」
迅さん、出水からその名前が出てきて、心臓がキュッと締め付けられる気がした。肩に掛けた鞄の紐をきつく握りしめる。
「うん、そう」と、返すと沈黙が訪れ、しばらくして出水と別れる。「また、明日な」「おやすみ」と、軽い挨拶をして足早に帰宅する。のだが、そうは簡単にいかない。
電柱の影からひょいっと現れた会いたくなかった人物。
「迅、さん」
迅さんは、「さっきは上手く逃げられたからな」って言うと先程の出水と同様に私の隣を歩く。あと十分もすれば家に着く距離。
あまり、二人でいたくないのだが。特に、自宅の近所では。
「何の、用ですか」
迅「…わかってるだろ」
「さぁ?何のことでしょうか?」
本当はわかっている。いつも同じ内容だから。でも、簡単に「はい、そうですね」とは言わないし、聞く耳は持ちたくない。
だから、昼間も必死になって回避したのに…。私より彼は優秀で、一枚も二枚も上手なのだ。
迅「…お前たちの為だよ」
うるせーよ。面倒なんだよ、そう言うの。
「迅さん、私のこと放って置いてよ。もう、面倒なのは嫌なので」
では、おやすみなさい、と言って家の中へ入ってく。ドアの扉をガチャンって多い音が鳴ったのは近所の人に申し訳ないなく思った。
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ゆう - 続き気になるー!本当に面白いです!できれば更新していただきたい。 (3月17日 19時) (レス) @page29 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ - ここで終わるのはもったいない…続き、気長に待ってますから (8月11日 14時) (レス) @page29 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
Doll(プロフ) - 嫌だ! (2018年12月21日 14時) (レス) id: 637c8a3b3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋イノラ猫 | 作成日時:2018年9月2日 0時