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風磨「お前、片目見えねぇの？」
佐木崎「え、風磨くん知らなかったの？」
佐木崎さんがわざとらしく聞き返す
まだ待って欲しいと言ったはずだったのに
受け入れてもらえないから
受け入れてもらえるはずないから
怖くて言えなかったことなのに
風磨は私をじっと見る
風磨「おい、A」
「…ごめん」
私はコーヒー代を机に置いて
お店を飛び出した
風磨「おい、ちょっと待てって！」
桃「行かないで」
勝利「桃、やめろ。風磨くん、行って」
風磨「悪い」
風磨はすごく冷たい目をした
受け入れてもらえないよ
色が見えないのと目が見えないのとじゃ全然違うんだよ
言わないまま過ごせると思っていたわけじゃない
自分のタイミングで言いたかった
でも、立派にかっこよくなった風磨を見ていたら
何も変わらず色も見えず目も見えなくなった自分が情けなくて
言えなくなってしまった
言えない自分も嫌だった
言わないといけないものだったこともわかってた
こんなにも自分が情けないなんて
走りながら私は泣いてた
久しぶりに涙が出た
もう何にも感情的にはならないようにしてたのに
感情を抑えれば何も感じないから
私はゆっくりと走るのをやめた
冬の冷たい風が私の頬に当たる
暗い夜に明るい街灯が光ってる
涙は止まらない
今まで堪えていた分涙が止まらなかった
風磨「おい」
手首を掴まれて振り返るとそこに居たのは風磨だった
「ふ、ま」
風磨「泣いて…」
「ごめ、ごめんね。」
私は頬に流れている涙を拭った
でも止まらなくて
止められなくて
風磨の前で泣くのはもう何年ぶりだろう
見苦しくて情けない姿を見られたくはないのに
だからただ謝ることしか出来なくて
「ごめん…ごめん」
風磨「もういい、やめろって」
私の涙を拭っていた手を優しく掴んだ
風磨「なんで、言わなかった？」
「それは…言いたくない」
風磨「なんで」
「いいじゃん、理由なんて」
掴まれていた手を離した
すると今度は力強く掴まれた
風磨「いいわけねぇだろ、ちゃんと言え」
「言いたくない」
風磨「いいから、言え」
風磨は私の手を掴んだまま
口調は荒くても優しい目だった
吸い込まれそうで
「怖かったから」
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あかねこ - べいくさんの作品すごく面白いです！ (2020年12月28日 11時) (
レス) id: 14cacb4dbc (このIDを非表示/違反報告)
べいく。(プロフ) - りんさん» そんなふうに言っていただけて嬉しいです。ありがとうございます。その言葉で頑張れそうです。頑張ります！！ (2019年7月5日 19時) (レス) id: c521bbceb9 (このIDを非表示/違反報告)
りん - お話とっても面白くて、最初から一気に読みました。切なくなったり、キュンとしたりととても心揺さぶられて、いいお話だなと思いました。べいくさんのペースで頑張って欲しいと思います。応援してます！ (2019年6月19日 23時) (レス) id: 8fc4483935 (このIDを非表示/違反報告)
べいく。(プロフ) - 藍さん» 本当に本当にありがとうございます。気持ちがすごく焦っていたのが、藍さんのコメントで落ち着きました。そんなふうに言ってくださって本当に嬉しいです。これからもよろしくお願いします。 (2019年4月20日 21時) (レス) id: c521bbceb9 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 話を読みはじめてからは、更新が楽しみでした。これからもべいく。さんのペースで更新お願いします！これからも楽しみに待ってます。 (2019年4月20日 13時) (レス) id: 01c0751298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べいく。 | 作成日時：2018年11月23日 19時
