３３話# 懐かしの風 ページ36
#合宿所・屋上#
夜風がなびく中、あたしは地面に坐ってナポリタンを食べ始めた。
ここには雷門の変なやつらもいないし、超強引風紀委員もいなくて落ち着く。
A「あーあ」
このまま、あたしはサッカーの中に引きずり込まれちゃうのかな。
父さんみたいに......
？？「おい」
A「？」
声がして振り向くと、例の豪炎寺くんがいた。
豪炎寺「隣、いいか？」
A「何で？」
豪炎寺「俺もここで食べたいんだ」
A「......勝手にすれば」
チェッ、せっかく一人でいられたのに。
豪炎寺くんは人２人分の距離を保って坐った。
しばらく、スパゲティを食べる音だけが屋上に響く。
食べ終わった後、あたしと豪炎寺くんは無言で坐っていた。
食堂に戻る気はない。
でもだからといって、こいつと一緒にいる気もなかった。
不意に口を開いたのは豪炎寺くんの方。
豪炎寺「戻らないのか？」
A「...うん」
豪炎寺「ここは風当たりが強いぞ？」
A「知ってる」
豪炎寺「これ着とけ」
そう言って豪炎寺くんはジャージを差し出す。
A「いらない」
豪炎寺「風邪引くぞ」
A「引かない」
豪炎寺「いいから着ろ」
彼ははあたしの背中にジャージを載せた。
なんか羽織っている感じ。
A「いらないって言ってるじゃん」
ジャージを取って豪炎寺くんに投げ返した。
彼は難なくキャッチする。
豪炎寺「...頑固だな」
A「豪炎寺くんがおせっかいだからでしょ」
豪炎寺「あいつらに比べれば俺はマシな方だが？」
A「そんなことあたしには関係ない」
豪炎寺「フッ、そう思っていられるのも今のうちだ」
A「......意味分かんない」
あたしは体育坐りをしてひざの中に顔を埋める。
その時豪炎寺くんはつぶやいた。
豪炎寺「...久しぶりだな」
A「......」
ああ、どう答えていいか分からないよ。
豪炎寺「元気にしてたか？」
A「......まあまあ」
豪炎寺「そうか」
言葉が口をつつく。
A「...何であたしのことを覚えてんの？」
豪炎寺「忘れるわけないじゃないか」
A「そう？」
豪炎寺「そうだよ」
A「......」
気まずい。ここにいたくない。
あたしは立ち上がり、屋上を後にした。
立ち上がったときに吹いてきた風が、何だか懐かしかった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
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ななっち(プロフ) - ウミガメさん» ありがとうございます！！＾＾ (2013年9月27日 18時) (
レス) id: fc50ddc8e6 (このIDを非表示/違反報告)
ウミガメ - 4作目!!これからも応援してます!!! (2013年9月27日 17時) (レス) id: d64eff270b (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - まみさん» ありがとうございますね^v^ (2013年4月20日 14時) (レス) id: 5559c45b6c (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - まみさん» ありがとうございます！でも忙しい時は、無理しなくていいですよ！ (2013年4月20日 9時) (レス) id: c6ba29811f (このIDを非表示/違反報告)
ななっち(プロフ) - まみさん» それほど悪くないですよ〜 ８７点なんて、あと３点で９０点じゃないですか...まあ、頑張れえ！！ (2013年4月15日 22時) (レス) id: 5559c45b6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ななっち
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/trhthe/
作成日時：2013年3月10日 21時
