涙と雨〈レイ〉�� ページ22
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ﾚｲ「ったく！どこいったんだよっ！」
Aを探しながら森の中を走り回っているが空が暗い上に雨で視界が悪いせいでなかなか見つからない
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あいつは雨の日にこうやって居なくなることがよくあった
最初は確か7歳頃だったと思う
雨の日に外に出ていくAが気になって俺も後を追った
そして森の中で見つけたAは独り膝を抱えて泣いていたんだ
その日の前日はAが懐いてた兄弟の出荷があって、その時はただ離れるのが悲しくて泣いてるもんだと思ってた
けれど、"ごめんなさい"と繰り返しながら泣いているAを見て、自分と同じなんだと悟った
あの日から何度も、雨の日に外に出ていく彼女を追いかけたり、一緒に行ったりしていた
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………居た
ようやく彼女を見つけた頃には傘の意味がないほどにびしょ濡れになっていた
ハウスを囲む塀の上に座って空を見あげる彼女の後ろ姿、
…ｰmh mhｰｰmh mhｰｰｰ……
近づくにつれて雨にかき消されていた歌声が耳に届く
あの歌だ、お腹の中で聴いた。
ママの、名前のない歌
同じ歌を口ずさみながら塀に近づく
急に聴こえた声に驚いたように振り返った彼女は俺の顔を見て安心したような、それでいて苦しそうな顔をした
『……なんで、来たの。』
ﾚｲ「本に集中してたら出ていったのに気づかなかった。」
『気づかれないように出てきたのに。』
ﾚｲ「わざわざ雨の日に出ていくのやめろよ。
風邪引くだろ。」
『だって雨の日ならどれだけ泣いてもどれが涙か分からないでしょう？
全部、雨が洗い流してくれる。』
ﾚｲ「じゃあ俺には言っていけよ、知らないうちにいなくなるな。
独りになろうとするなよ……。」
いつもと、違う
何がかは分からないけれど、今にも消えてしまいそうな、そんな気がした
『…ちょっと、ひとりにしてくれない？』
ﾚｲ「嫌だ。早く降りてこい。戻るぞ、本当に風邪引く。」
『いいから、放っといて、』
ﾚｲ「やだって言ったろ、独りにはしない。」
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詞園(プロフ) - しめじさん» わ、本当ですか！ありがとうございます！更新頑張っていきます！！ (2019年4月1日 21時) (
レス) id: e12d4fabd8 (このIDを非表示/違反報告)
しめじ(プロフ) - 『あの日の箱庭』が始まったくらいからずっと読んでいます！君への誓い、とても感動しました！ずっと応援しています。 (2019年4月1日 13時) (レス) id: bc1a274c96 (このIDを非表示/違反報告)
詞園(プロフ) - lemonさん» ありがとうございます！そう言っていただけると、励みになります！ (2019年3月31日 11時) (レス) id: e12d4fabd8 (このIDを非表示/違反報告)
lemon - 君への誓いめっちゃおもしろかったです！！これからも応援してます！！頑張ってください (2019年3月29日 16時) (レス) id: 233c4b2fbc (このIDを非表示/違反報告)
詞園(プロフ) - milkさん» ありがとうございます！そう言っていただけると、本当に嬉しいです！！このお話を書くことにしたのも、milkさんにいただいたコメントがきっかけでしたので、楽しんでいただけて良かったです！ (2019年3月29日 16時) (レス) id: e12d4fabd8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：詞園 | 作成日時：2019年3月26日 22時
