伝えた言葉と言えなかった想い【約束のネバーランド】

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『今ね、ハウスをぐるっと一周してきて、色々思い出してたの。


この10年、すごく楽しかったし幸せだったなって。





ここは、食用児を育てる農園っていう最低な場所だけど、


私はここに居て良かったと思えることもあるんだよ。』






ﾚｲ「何だよ、良かった事って。


ここに居たら、鬼に食われる未来しか待ってないのに。」






『皆に、レイに、会えたこと。』





ﾚｲ「………は…？」





『確かに、ここじゃなければ、もっと幸せな、生き続けられる未来が待っていたのかもしれない。



だけどそうしたらレイには出会えなかったでしょ？



レイはそんなことって思うかもしれないけど、私にとっては一番大事なこと。




私はここで、みんなに会えて幸せだった。』





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Ray side_



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そう言って彼女は微笑んだ





俺はこの笑顔を守りたかったのに



何も出来なかった





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彼女には幸せになってほしい






違う。


俺が幸せにしたいのに




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全てが終わってから言おうと思っていた気持ちが


こうなった以上、伝えないでおこうとしまいこんだはずの気持ちが




溢れそうになる








今さらこんなこと言ったらAが困るのは分かっているのに





余計に苦しめることになると、分かっているのに







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「……A、あのさ、俺、






もう、自分じゃ止められなかった







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