伝えた言葉と言えなかった想い【約束のネバーランド】

-１４- ページ17

.



.



You side_



.



.




1月15日


──レイの11歳の誕生日



.



.




この日、ママに告げられた



"里親が見つかった"







その言葉が意味するのは余命宣告(タイムリミット)。



.





自分に残された時間の少なさ



私には待っていない未来



.




ﾏﾏ「A？どうしたの？」





目の前が真っ暗になりそうだったけれど、ママに聞かれてはっとする



そうだ、ママは私が全部知っているなんて知らないのだから








笑わなきゃ。


笑え。笑うんだ。


心底嬉しそうに。









そう自分自身に言い聞かせながら私は必死で笑顔を貼り付けた





.




.




.





そのことは間もなく、兄弟達にも伝えられた





ﾏﾏ「Aの里親が決まったの！


出発は4日後よ。」




にこにこと微笑みながらママが言うと子供達から祝福の声が上がる





ｴﾏ「A！よかったね！！！」



ﾉｰﾏﾝ「A、おめでとう。

でもAにも先越されるとはね。」




ﾚｲ「‥‥‥‥‥‥。」




ちらりと横目でレイの方を見ると唇を噛み俯いていた







ｴﾏ「でも寂しいな。

ずっと一緒にいたのに、離れるなんて……。」



『…エマ……。』



ｴﾏ「…ごめん！

嬉しいことなのに

なんか、暗い感じになっちゃった。」



『んーん、私も寂しい。』




そういってエマに抱きついた




.




泣いてしまいそうだった



顔を隠したくて、エマの肩に顔を埋めた




.



.

-１５-→←【閑話】HAPPY BIRTHDAY

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す