【黒バス】藍色のバスケ〔C〕【男主】 (ページ48)

今日:17 hit、昨日:3 hit、合計:330,462 hit

再会を目指して日本一1 ページ48

.

「……え、誠凛選んだ理由他にもあるの？」

部活の最中、何気ない会話から小金井の問いかけが黒子に届いた。

「ええ、まぁ。」

部員全員の視線が集まる中、黒子はそれを肯定した為、誠凛バスケ部は素早い行動で黒子を囲み、事情聴取が始まった。

「で、その理由は？なになに！？」

「ちょ、カントク落ち着けって！」

掴みかかる勢いで黒子に迫るカントクこと、相田リコを部員が抑える。
見兼ねた火神が切り出して訊いた。

「で、他の理由ってなんだよ？」

「……日本一に、なる。」

「いやそれは知ってるって、」

「日本一になって、もう一度『彼』とバスケをしたい。」

「……は？か、彼？」

目を点にしたメンバーを前に、黒子は手元のボールを両手で胸の前に持つ。
ポツリ、ポツリと話し出された話に全員が耳を傾けた。

「……中学三年の秋、僕はバスケを辞めるケジメを付けるために、あるストバスへ足を運びました。３回シュートを成功すれば、バスケを終わらせるつもりでゴールに向き合ったんです。」

けど、シュートは10回近く様々に失敗。
それでもシュートし続けていたら、

「致命的な失敗をしたんです。」

「どんなだ？」

木吉の問いかけに相変わらずの無表情で答える黒子。

「ボールをリングとゴール板の間に挟んでしまったんです。」

「はぁ！？それってこれか！？」

キャプテンの日向が信じられないと言わんばかりにボールを黒子の言った通りに挟む。
落ちてこないボールを見て黒子は頷いた。

「……おま、マジか。」

「失敗した。と思った時に後ろから笑い声が聞こえたんです。振り返ったら、『彼』がいました。
親切にボールを取ってくれたその後、色々あってガラの悪い人たちと3対2で一緒に戦いました。」

「ん？お、おう。」

「……正直、ビックリしました。

───『彼』がキセキの世代を上回る実力を持っていたので。」

「ちょっと待てーｯ！！」

「はい？」

首を傾げる黒子に目を血走らせたリコがTシャツを掴んで問いただす。

「黒子くん聞いてもいい？その『彼』ってどれ位強いの。

キセキの世代と黒子くんの記憶の中の『彼』、どっちが強いの？正直に答えて。」

誠凛メンバーも緊張した表情で言葉を待つ。
キセキの世代を上回る実力者など、聞いたことがないのが正直な気持ちだった。

.