【黒バス】藍色のバスケ〔C〕【男主】 (ページ44)

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「……で、いよいよ戻るのか。」

「おう！」

二週間近くのアメリカでの修行を終え、日本へ帰国する旨を伝えに来た大我。
他のメンバーが私用でいない日。

部屋のソファーで「優勝してくる」と息巻くコイツ、一年前に日本で見た姿と比べて見違えたと思う。

「誠凛はいい所か？」

「ああ。最っ高だ！」

修造を紹介する目的で日本へ飛んだあの頃。
キセキの世代の暴挙によりバスケをする子供が減ってしまった日本。
…時期が悪かった、とあの時は心底思った。

キセキの世代の前後にいた、才能を秘めた少年たち。
彼らは帝光中バスケ部の猛進により、開花させる筈だったモノを手放した。

つまりキセキの世代は、次世代を盛り上げる若い芽を摘んでしまったのだ。無自覚に。
これにより、キセキの世代引退後…日本バスケ界の成長は望めない危機に陥っている。

「お前が楽しそうでなによりだ。」

「日本のバスケも捨てたもんじゃないぜ。見てろよ！日本一になって帰ってきてやるからな！」

そこで天才VS天才の勝負で何とか出来ないかと俺は考えた。
無事、己の才能を理解した大我はメキメキと頭角を現している。合流するのも、時間の問題だ。

大我の話にはあの水色の少年も出てきた。
いや、黒子テツヤか。
大我も俺と同じく彼のプレーに刺激されたらしい。

「早くココに戻って来い。5人でNBAはもうやり切れない。スタミナ鍛えても限界だ。」

「…分かってる。」

結局は似たもの同士。俺たちは根本的なバスケ馬鹿なんだろう。
2人に対して、早く同じチームでプレーをしたいと心が疼く。

「イベリコ豚カツサンドパン三大珍味のせ、お前食ったか？」

「なんでソレ知ってんだ！？……まぁ、部活の仲間と食ったけどよ。」

「中々いけるだろ？あれ作ったの母さんだ。」

「天音さん！マジかよ！？」

キセキの世代の実力を確かめに、お忍びでＷＣ決勝を見に行くのもいいかもな。
全中は適当感があった挙句、怒りのあまり実力を見極められなかった。

クソババアもフランスに帰ったからようやく自由に動ける。帝光中の現状もこの目で確認しておきたいし、行くに越したことは無い。

「……じゃあな。」

ニカッと笑った大我が部屋の扉へ進む。

「いい報告を待ってる。」

親友の背を見送ってから、俺は日程を確認するため手帳を開いた。

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