【黒バス】藍色のバスケ〔C〕【男主】 (ページ39)

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バタバタと音を立てて通路を走る少年少女に混ざったJabberwock。
訳が分からない、と虹村が訊く。

「何で走ってんだ！？」

「出待ちっつってんだろ！羅一とナッシュが小学生の頃からケツ追っかけてくる過激派の女どもだとｯ！
グズクズしてたら俺たちまで捕まってボディタッチどころかセクハラ紛いされんぞ！」

「な、んだそれ…！」

話しながら走り疲れて速度が遅くなっている女の子を抱えた虹村が、あれ？と気付く。

「お前そーいえばこっちで女遊びしねぇよな？」

「過激派の女どもに捕まってからアメリカの女が怖いんだよ！文句あるか！？」

と、逃げる理由を半ばヤケクソに言い返す灰崎に、捕まったのか…。そう思って腕の中の女の子と揃って同情の視線を向ける。

「クソｯ！体力持つか！？」

「意地でも持たせるに決まってんだろうが！」

先頭でナッシュの言葉に歯を食いしばって羅一が返す。既にJabberwockは体力(スタミナ)がやばいのだ。

とにかく駐車場に停めてあるリムジンに走る。それしかない。
出待ちは別の通路にいると聞いたが、何時までも出てこない事に気づいてこっちに来るかもしれない。

と、思った矢先…───。

「いた！Jabberwockよｯ！！」

全員の心臓がドキｯ！？と跳ねた。
女の声に思わず後ろを振り返った虹村は心底後悔した。

「待ってぇぇぇぇぇ！！」

「羅一様ァァァ！！」

「ナッシュゥゥゥ！」

「ああぁぁぁああ”ぁ”ぁ”ｯ！！？」

恐怖──あの虹村が悲鳴をあげるほどの形相で追いかけてくる女たちを目にして、さらに速度が上がる。
体力が…など最早理由にならない。

生きて帰る。その一心で駐車場にたどり着いた。

「早く出せ！」

リムジンに雪崩込むように乗り込んだ瞬間、羅一が運転手に叫ぶ。
状況を理解した優秀な運転手は直ぐにアクセルを踏んで会場を飛び出した。

リムジンの車内ではグッタリしているJabberwockと後輩達の姿。

虹村は顔色の悪い２強と背もたれに体を預けるシルバーと灰崎を見て、”女嫌い”や”苦手”と言った理由を理解する。

リムジンはインタビューのためにテレビ局へ向かう。いま、質問に上手く答えられる自信は全員無い。

火神は一人、こうなっているであろう仲間の無事を願って、修行を再開のため師匠と会場を去った。

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