【黒バス】藍色のバスケ〔C〕【男主】 (ページ28)

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デビュタントをしてからというもの、羅一の生活は酷く忙しいものになっていた。

大学に通いながら提出物の作成、Jabberwockの大会出場。

２強のホームであるバスケットボールクラブ・ストバスへ足を運び、ジュニアたちの指導。

父の仕事の付き添いに、パーティーの出席。

それに加え三日に一度の睡眠体質。
ハードな日々を送ろうとする羅一にストップを掛けたのはナッシュたちだ。

羅一の顔色が悪くなる一歩二歩手前で必ず休みを与えるようになった。抵抗する場合はシルバーが担いで部屋に閉じ込めてでも休憩させる。

限界を未だ自覚しなかった羅一も、流石に自覚が出てきたのか控えめではあるが休憩を挟むようになった。

「はぁ……。」

「おい休めって。」

「……休んでるだろ。」

部屋のソファーに座りながら紅茶を飲む羅一。
カップを持つ反対の手には数枚の書類が握られていた。

少し休んでいるだけで”仕事”は止まっていない。テーブルを挟んだ向かいに座る虹村の手にも同じ書類が握られている。

「……不味いぞこれ。」

「あーぁ、俺よりもヤバすぎるぜ。」

灰崎までもが深刻な顔をする”仕事”を羅一は統に「任せてほしい」と願い出た。
しかし、その”仕事”が頭を悩ませる種だ。

「……キセキの世代が卒業してから早二ヶ月。
その間にもう五件は警察沙汰起こしてんだ。流石に庇う気も起きねぇ。」

そう言い捨てながら書類をテーブルに投げ置く羅一。英語で書かれた報告書は帝光中バスケットボール部のことが書かれていた。

「あ？万引きィ？」

書類を覗き込むシルバーが呆れた様子で声に出した。
しかも、ただの万引きではない。

「帝光中の周りのコンビニというコンビニで、同じ奴が起こした。窃盗犯ってより、愉快犯だ。」

「器物破損。学校の自販機で何やってんだお前らの後輩…。全部交換だとよ。」

羅一同様、頭のキレるナッシュですらぐったりとソファーで文句を言う。

その姿を見て虹村は本当に申し訳ない思いでいっぱいになり、灰崎は警察にお世話になる後輩の親の顔を見てやりたくなった。

帝光中の問題を解決する一方で、メンバーのイライラは日々溜まっていった。

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