【黒バス】藍色のバスケ〔C〕【男主】 (ページ21)

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「あの。何故『彼女』を、余波で消滅する筈のパラレルワールド世界に転生させたのですか…。」

真剣な声色で問う神に天照は大鏡に向き合うべく背を向けた。
光を纏う羅一の姿をその目に焼き付けながら、ゆっくりと口を開く。

「……パラレルワールドの運命を羅一に賭けてみたいと。そう思った。」

「か、賭ける？」

「お前は知らぬと思うが、あの藍道寺というモノは自然崩壊を修正し、消滅を防ぐために私自らが作ったものだ。」

「え”！？」

寝耳に水。初めて知った事実に表情を固くする神。

「トリッパーによる原作崩壊で『キャラ』が消えないようにした後…。

『彼女』のことをお前たちに聞かされた私は、先回って藍道寺というモノを黒バスの世界に据え付けた。
そして転生先を藍道寺に誘導させた。」

「俺が選んだんじゃなかったの！？まさかの誘導！？」

でなければ据え付けた意味が無いだろう。
更に、賢者の眼(ワイズアイ)は天照大御神の力をふんだんに使って作ったオリジナルだという。

…道理で負荷がでかい訳だ。羅一が耐え切れなかったらどうするつもりだったのか。

「『彼女』を羅一へと作り替える過程で、どうしても消せないものがあった。
『裏の主人公の設定』だ。

消せないから──利用することにした。」

主人公の導(しるべ)となる筈だった『彼女』…もとい羅一なら、原作が自然に狂う場面で先導能力を発揮するかもしれない。

予想以上に賢者の眼が強力すぎて申し訳なく思い、制御の眼(コントロールアイ)をあげたのもその事を考えて。

「裏の主人公なだけあって、周りに集まった仲間はアクの強い者達だ。」

大鏡の中には羅一と楽しそうにバスケをプレーするJabberwockのメンバー。

金・銀・黒紅・灰・虹…そして藍。
どれも基本色に成りきれない癖のある存在。

「……まさか崩壊地点を越えていくとは。原作はシナリオ通りに進んでいるし…問題はなさそうだな。」

「問題があるとすれば、主人公『黒子テツヤ』がひっきりなしに『藍色の彼』を思い出すことですね。
ほら、原作の所々で顔は出てないけど姿は出ちゃってます。」

「それも裏の主人公故だ。仕方あるまい。」

さて、見届けさせてもらおう。

最後の幕がハッピーエンドか…

もしくはバッドエンドかを。

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