【黒バス】藍色のバスケ〔C〕【男主】 (ページ17)

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「お前のバスケットボール技術は俺でも見たことがない。
パスが回ってきた時、それを受け取った時の爽快感と漲(みなぎ)る闘志。

お前のバスケは本当に面白い。こんなプレイヤーだって見たことがない。」

「…。」

唖然とする僕を前にして、彼は饒舌(じょうぜつ)に喋り続ける。

「お前のいるチームと戦いたくなったのは紛れもない本心だ。
相手の意表を突くスティールもパス回しも、チームプレーでは絶対に重宝される技術。

得点へと繋げる道を創り出す天才だよ。俺のチームに欲しいくらいだ！」

あまりの褒め言葉に顔が赤くなるのを感じる。
視線を彼の顔から足元へ移した。

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「何より、俺はお前にバスケをやめてほしくない。」

かつて光だった彼にいつか言われた言葉が、僕に再び告げられた。
驚いて顔を上げる僕。美しく妖しげに笑う彼。

視線がぶつかった。

「オギワラって奴との絆は『バスケ』で出来たんだろ？俺の仲間もバスケ繋がりだ。
俺とお前だって、『バスケ』で出会った。

人との繋がりとか絆って、俺には凄く貴重なものなんだ。
日本で言う、一期一会ってやつだな。」

「バスケ繋がりの…一期、一会。」

細く呟く僕にそうだ。と返す彼。
そう言われると、確かにそうだと思った。

「『僕の罪だ』って言ってたけど、チームメイトだったお前がバスケから離れることの方が罪なんじゃないか？

キセキの世代に敗北を教えなくて良いのか？」

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「お前は『お前のバスケ』を貫かないでいいのかよ！」

夕闇の迫る空に彼の声が吸い込まれる。
気が付けば、僕も本音をぶちまけていた。

「本当は！辞めたくない！
でも！バスケを続けたとして、彼らのチームメイトだった僕を喜んで迎え入れる人たちなんて無に等しいじゃないですか！

彼らを、僕は止められなかったんですよｯ！彼らにかなう才能なんて、僕は持ってないんですｯ！！」

「…──お前は馬鹿なのか？一人で止めるつもりか。」

ハァー…と深いため息を吐いた彼に、凄くイラッとした。

だけど、口を開けて反論する前に彼の言葉が、僕の目を覚まさせた。

「キセキの世代と同じ個人プレーが、『お前のバスケ』なのかよ！」

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