【黒バス】藍色のバスケ〔C〕【男主】 (ページ15)

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「それは違う。」

凛とした透明感のある声が、横からハッキリと僕の言葉を否定した。

「……え？」

「お前”だけ”の罪じゃない。『帝光中バスケットボール部』に関わった者、大人子供関係なく全員の罪だ。」

オレンジ色の空を見上げながら、彼は力強く呟いた。
右肩から前に流した腰まである長い襟足が、風に遊ばれるのを見ながら彼は口を開いた。

「権力のあるところで、権利は認められない。そもそも強制するような帝光中の理念自体が間違っているんだ。

人は敗北を経験して大きく成長するのに、勝利だけで成長できるわけじゃない。」

藍色の片目に宿った光を、僕の水色の瞳が捉えた。

「相手に不足を感じるならもっと強い奴の元へ挑戦しに、自分から足を運べばよかったんだ。
キセキの世代の実力を知る監督も監督だ。

調子に乗るキセキの世代の鼻っ柱を、ブチ折ってくれるようなプロとの繋がりだってあったはず。」

彼の言葉に僕はハッとした。

その通りだ。帝光中から強豪バスケ部のある高校に進んだ先輩。プロになった人だっている。

10年に一度の天才なら、その十年前だって可能性がある。もっと視点を広げるべきだった。

僕らは、なんて小さな世界に囚われていたんだろう。

「帝光中は練習試合もキセキの世代の1人２人、必ずいれてるって有名だ。そんなので後任の世代を育てられるものか。

紛い物の勝利に酔いしれてるだけ。下の奴らはキセキの世代のもたらす勝利で甘い蜜を吸ってるだけだｯ。」

苛ただしげに両手、両足を組んで吐き捨てる彼の言葉にまたもや僕は驚かされる。

キセキの世代に注目したせいで疎かになっていた後輩指導。なんてことだ、と頭を抱えたくなる。

よく考えれば次の主将の話だってなかった。後輩達の実力を、僕らは全く知らない。

気が付けば、僕の涙はすでに乾いていた。

涙だけでなく、声も枯れたように出なかった。

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(あのバカ孫！一体全体何処に行った！
携帯も置いていくなんて誰に似たんだい！？)

(((ミコト様です。)))

(至急あのバカを探せ！
他の知人から立食パーティの誘いが来たんだ！
何が何でも羅一を売り込む！)

(((はっ！)))

(残ってる私服からスーツのサイズを調べな！新しいのを着せるよ！)

(((かしこまりました。)))

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