相良の場合 ページ23
｢殺す殺す殺す殺す殺す｣
『た、猛落ち着いて！！私は大丈夫だから！』
手に持った鉄材を全力で振り下ろそうとする相良を必死に後ろから抑えるAの前で、チンピラが怯えてうずくまっていた
体は既にボロボロで許してくれと涙を流して乞う男に、それでも相良の怒りは収まらない
Aの頬についた切り傷がその原因だ
｢Aの顔に傷作っといて許してくれだと？
っざけんなァ！！｣
おらァｯ！！と振り下ろした鉄材が男の背中で鈍い音を立てた
『猛！！』
まるでAの声が聞こえていないかのように男を殴り続ける猛に、Aは思わず二人の間に飛び込んだ
｢ッ！！｣
鉄材がAに当たる直前、目を見開いた相良がピタっと手を止めた
｢あっぶねぇな！！｣
『だって猛が止まってくれないから！』
｢当たったらどうすんだよ！！｣
『猛は私に手上げないって信じてたもん！』
だんだんと涙目になっていくAに相良の高ぶっていた気持ちが静まっていく
｢っわりぃ、泣くな｣
『泣いてないもん！…それよりこんなとこ早く出ようよ』
相良がいつも通りに戻ったのを見たAは涙の代わりに笑顔を零して相良の手を引いた
廃工場を後にした2人は傷の手当をするために開久を目指して歩く
ふと横目でAの顔を見た相良は、頬の傷から血が滲んでいるのに気付いた
指でそっと拭うとAがこちらを向く
なんとなく拭き取ってしまうのが勿体ない気がしてぺろっと血を舐めた
｢…Aの味｣
『は？え、え、あ、え、うぁ…はぁぁ！？』
なななななななんで！？何してるの！？
は？え？はぁ？
動揺しすぎて意味不明な声を上げるAを見てくつくつと笑う相良
.
『いや、ほんとにありえないからね』
｢悪かったって｣
開久についてから怪我の処置をする間にも先程のことを言うAに相良は笑いながら謝っていた
猛の頬にガーゼを貼る途中、Aは仕返しと言わんばかりに猛の唇に不意打ちでキスをした
『どーだ猛！参ったか！』
胸を張ってはははと笑うAは猛が静かなのに気付いて顔を覗き込んだ
『ﾋｪｯ』
その顔を見てAは数秒前の自分の行動を後悔したが、時すでに遅し
｢可愛いことしてんじゃねぇよ｣
ぐっとソファに押し付けられてギラギラと光る瞳に射抜かれる
｢お前が仕返ししたんだ。俺も仕返しの仕返ししてもいいよな？｣
いいえ というAの言葉は、吐息と共に狂犬に飲み込まれてしまった
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pico(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» リクエスト了解致しました！少々お時間下さい。 (2019年1月1日 22時) (
レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - リクで夢主と片桐が相良様を騙してるのが見たいです(騙された大賞みたいな感じで) (2019年1月1日 21時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» 了解致しました！両方書かせていただきますね!!期待せずにお待ちください！ (2018年12月28日 18時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
水空色(プロフ) - picoさん» はい！！忙しければ片方で大丈夫です！ (2018年12月28日 15時) (レス) id: c0998fa5ff (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» リクエストありがとうございますー！それは片桐さんのお話と相良さんのお話をそれぞれ1話ずつ、ということでいいんでしょうか…？ (2018年12月28日 13時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pico | 作成日時：2018年11月20日 23時
