伊藤の場合 ページ19
｢これやったの、だれ？｣
Aの腕をとって真顔で言った伊藤
『えーっと、うーんと、誰だったかな？』
あははと苦笑いをするAを見てにっこりと笑顔になった伊藤がAを壁際に追い詰めた
｢Aちゃん、言って、くれるよね…？｣
手首を掴まれて身動きの取れなくなったAは、冷や汗を流しながら口を開く他なかった
『はいぃぃ…』
Aから話を聞き出した伊藤は、ありがとうと口早に言って駆け出した
.
翌日、伊藤は全くの無傷だった
『真司くん、その、大丈夫だったの…？』
｢ん？何が？｣
でろでろとした顔でAに問い返す伊藤はいつも通りの彼だった。
『いや、えと、うーんと、』
ケロッと返されて言葉に詰まったAが苦し紛れにえへっと笑うのを見てはぁうっっ！と心臓を抑えるくらいには。
｢AちゃんAちゃん、今日サテン行かない？｣
『いいよ！行こー！！』
2人は手を取り合って歩き出した
.
喫茶店に行く途中、商店街に差し掛かったところで大勢の男達が伊藤目がけて走って来る
｢Aちゃん、ちょっと俺の後ろにいて｣
『う、うん…』
Aは、いつになく真剣な表情の伊藤に言われた通りに彼の背中にぴたっとくっついた
ぐっと耐えるような声を上げる伊藤の目の前に男達がやって来た
その男達は昨日伊藤がぼっこぼこ……ケチャケチャにした相手であった
わーわーとわめく男達の言葉を要約すれば
よくやってくれたなこのヤロー、仕返しに来たぜ
だ。
しかし、ただのチンピラに伊藤がかなうはずもなく、再びぼっこぼ…ケチャケチャにされてしまった。
『あ、この人たちこの前の…』
ちらっと伸された相手を見たAの目を伊藤は急いで両手で塞いだ
｢Aちゃんはこんなの見ちゃダメ！しかもコイツらはAちゃんに手出した奴らだし｣
怖くなかった？大丈夫？と膝に手をついてAの目線の高さに合わせる伊藤に先程喧嘩をしていた面影は微塵も感じられない
『大丈夫！真司くんが守ってくれたから！』
ありがとー、大好き！そう言ってAは伊藤に思いっきり抱きついた
案の定デレデレと歪む顔
しかし次の瞬間、視線だけで人を射殺せそうな顔に一瞬で変わった
復活したチンピラがAの後ろに迫っていたのだ
伊藤は口パクで
次 Aちゃんに 手を出したら どうなるか 分かってるよな？
とチンピラに告げた
チンピラはすぐさま顔を真っ青にして逃げて行った。
怒れば怒るほど強くなる男、伊藤
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pico(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» リクエスト了解致しました！少々お時間下さい。 (2019年1月1日 22時) (
レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - リクで夢主と片桐が相良様を騙してるのが見たいです(騙された大賞みたいな感じで) (2019年1月1日 21時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» 了解致しました！両方書かせていただきますね!!期待せずにお待ちください！ (2018年12月28日 18時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
水空色(プロフ) - picoさん» はい！！忙しければ片方で大丈夫です！ (2018年12月28日 15時) (レス) id: c0998fa5ff (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» リクエストありがとうございますー！それは片桐さんのお話と相良さんのお話をそれぞれ1話ずつ、ということでいいんでしょうか…？ (2018年12月28日 13時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pico | 作成日時：2018年11月20日 23時
