続 ページ17
そんな猛にクスッと笑いを零しながらもしっかりと目を合わせて語りかける
『猛は私と2人で帰るより三橋くんと喧嘩したいの？』
｢…ンなわけねぇだろ。｣
そこで猛の小さな抵抗が終わった
三橋くんの方を見ると、伊藤くんがなんとか宥めてようやく落ち着いたようだった
『じゃあ、ごめんね二人とも。またね！』
｢うん、こっちも三橋がごめんね。また！｣
｢相良に愛想つかしたら俺んとこ来いよ｣
二人は私の頭を撫でると早足に去っていった
最後の三橋くんの言葉にまた猛が突っかかっていきそうだったので、密かに手をぎゅっと握っておいた
2人が去って静かになった商店街の一角を再びゆっくりと歩き出す
『猛は相変わらず短気だね』
笑いながら私がそう言うと、猛はバツが悪そうに首裏に手を当てた
『…三橋くんが、私が猛に愛想つかしたらって言ってたけど、どっちかというと猛が私に愛想つかしそうだよね』
また笑って言う私。何ともないように言ってはいるけど、実はずっと私が思っていたことだ
猛は実はすごくモテる。喧嘩をやめたら毎日が告白の嵐になるだろうなってくらいに
猛の足がぴたっと止まり、こちらを振り返る
｢…ありえねぇ｣
『え？』
｢俺がお前に愛想つかすなんてありえねぇって言ってんだよ｣
真剣な瞳に射抜かれて息が詰まった
｢俺はAしか見てねぇよ。つかお前以外見えねぇ｣
三橋くんとの喧嘩で濡れた猛の髪が顔にかかってくすぐったい。鼻が当たりそうなほどの至近距離で見つめられてどんどん鼓動が早まっていく
｢お前以外に興味ねぇんだよ｣
手から滑り抜けた傘が音を立てて地面に落ちる。
重なった影が私の吐息を奪っていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 390人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「短編集」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
pico(プロフ) - ミリイ(灰崎信者)さん» リクエスト了解致しました！少々お時間下さい。 (2019年1月1日 22時) (
レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - リクで夢主と片桐が相良様を騙してるのが見たいです(騙された大賞みたいな感じで) (2019年1月1日 21時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» 了解致しました！両方書かせていただきますね!!期待せずにお待ちください！ (2018年12月28日 18時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
水空色(プロフ) - picoさん» はい！！忙しければ片方で大丈夫です！ (2018年12月28日 15時) (レス) id: c0998fa5ff (このIDを非表示/違反報告)
pico(プロフ) - 水空色さん» リクエストありがとうございますー！それは片桐さんのお話と相良さんのお話をそれぞれ1話ずつ、ということでいいんでしょうか…？ (2018年12月28日 13時) (レス) id: 9523295b39 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：pico | 作成日時：2018年11月20日 23時
